2

僕は、家に帰って、僕は、冷えた体を温めるため、風呂に入りながら、友人に電話をかけていた。

「それは、とても難しい恋かもね。」

「どうして?何が無理なのか教えろよ。聴いてやろう、イケメンくん!」

「僕をイケメンって呼んでる時点で、おかしいんだよ。ちゃんと名前で呼んでみなよ!」

「わかったよ、氷雨!でいいのかな?」

「まあ、僕の親友が、そこまで頼って来てくれるなら、本気で答えなきゃだよね。」

こいつ本当ウゼー。

「じゃあ、どうしたらいいんだよ。俺は、今後。」

「そうだねー.......、試しに、告白?」

「バカ、それは、おかしいよ。最低でも、早いって。」

「でも、善は急げ!て言うし、行ってこれば、いいじゃん?」

「僕に同意を求めるな。あー、そろそろ上せてきた。じゃあ、またな、イケメンくん!今後ともよろしく。」

「うん。また明日。頑張れよ、主人公。あ、フラグは、間違っても、回収するなよ!」

どういう意味だよ。

そして、僕は、電話をきり、風呂を出た。

風呂を出たあと、リビングで、冷たいお茶を飲んでると、母さんが、帰ってきた。

「ただいま、裕太。」

「おかえり、母さん。今日は、早かったね。何かあったの?」

「お母さんね、再婚しようと思うの。」

「うん?」

「それで、相手さんが、今から、うちに来るって、さっき電話があったから、裕太も、適当にちゃんとした服に着替えておいて。」

ちょっと待てーーー、母さん、何も説明受けてないぜ。再婚とか!

「母さん、ちょっと、説明を求める!」

「説明も何も、言った通りの意味よ。わかったなら、早く着替えなさい。」

なるほど、そういうことか。ともかく、今は、着替えるのが先だ。ちゃんとした服なんて、あんまり、というか、持ってない。とりあえず、制服でいいか。

制服に着替えた僕は、また、リビングに向かい、スマホの通知を確認して、ゲームを始めてしまっていた。

10分くらい経って、インターフォンのチャイムがなった。

「はい、どちら様で.......。」

ドアを開けると、ヤクザかマフィアのどちらかに、入っていそうな顔つきの男性が、たっていた。

「こちらのお宅は、冴河宅でよろしかったでしょうか。」

「はい、合ってます。こんな所でもなんですし、ど、どうぞ中に入ってください。」

「では、失礼致します。」

そう言うと、玄関に入ってもらった。その時、1度あったことのある女の子が、一緒に入ってきた。

2人をリビングに案内し、お茶を出して、母さんを呼びに母さんの部屋に向かった。

「母さん、ヤクザに嫁入りするの?」

少し強めの口調で、問いかけた。

「何言ってるの、嵐さんは、ヤクザなんかじゃないわよ。」

だよな、さすがの母さんでも、ヤクザは無理か。

「ゴメン、人を見た目で判断してしまった。ところで、もう二人とも来て、リビングで、待ってもらってるから。」

「嘘、すぐ行くから、2人と何か話していて、今後のためにも。」

「なんだよ、それ。」

そう言いながら、僕は、母さんの部屋を出て、2人のいる、リビングに向かった。

「すみません、もう少ししたら来ると思います。」

「そうか、では、自己紹介をしておこう。私は、雨沢 嵐《あまさわ あらし》という者だ。そして、こちらが.......。」

「雨沢 雪乃です。初めまして。」

「は、初めまして。冴河 裕太と申します。母がお世話になっています。」

「よろしくな、裕太君。で、私の呼び方だが、無理に、お義父さんと、呼ばなくても構わない。君の父親とは、面識は、あるし、何かあったら、頼まれている。」

「こちらこそ、嵐さん。嵐さんは、お仕事は、何をやっているのでしょうか。」

「私は、刑事をやっている。雪乃は、君と同じ学校に通っているのだよ。」

「はあ。あの、うちの母と結婚なさると伺ったのですが、もう、籍とか入れられているのですか。」

「いや、まだ入れてない。だが、結婚しても、姓を変えないことにしてあるから、そこは、心配しなくてもらって結構だよ。」

心配は、そこでは、無いのだが.......。

「お父さん、私、裕太くんと、二人で話したい。」

なんですって!?

「いいんじゃないか?裕太君、少し娘と、話してはくれていだろうか。」

「わかりました。場所は.......。」

「裕太くんの、部屋でどう。ダメかな?」

上目遣いはずるい。ヤバい、惚れちゃいそう。まあ、もう、惚れてんだけど。

「わかりました。僕の部屋に行きましょうか。」

僕は、先輩を僕の部屋に案内した。

「どうぞ、どこでもいいので、座ってください。」

とベットに座りながら、僕は、言った。

「じゃ、じゃあ、失礼します。」

と言って、僕の隣、しかも、ゼロ距離の位置に先輩は、座った。

「なんで、僕の隣なんですか。」

と僕が少し恥ずかしげに聞くと、

「君が、どこでもいいから座れと言うからだろ。だから、1度座ってみたかった君の隣に座ったんだよ。ダメ、だったかな?」

上目遣いは、ズルいって。やばい、距離が近いせいか、なんかいい匂いがする。落ち着け、とりあえず、何か、話さなくちゃ。

「ねえ、部屋、結構綺麗にしてるんだね。なんか、私の中の評価がかなり上がったような気がするよ。」

「僕、あんまりもの持ってないので、ちらからないというか、なんというか。とりあえず、あんまり服とかも持ってないので、今日は、制服なんです。」

「でも、私は、君の制服姿好きだよ。なんか、見栄を張ってる感じで。」

「喧嘩売ってます?買いますよ。いくらですか?」

「売ってないよ。冗談冗談。あのさ、ちょっと真剣な話してもいいかな。」

何!?このタイミングで切り出されるの。

「真剣な話ってなんですか。」

「私、実はね.......。」

なんでそんなに、間を開けるの?

「君のことが、好きすぎて、うちの親に結婚して欲しくないの。」

「はい?」

え?今、告白された?このタイミングで?僕が?

そんなことを考えている間に、

「だからさ、私と、結婚を前提に付き合ってくれない?それとも、私のこと、嫌いなの?」

「いや、嫌いとかないんですけど.......。」

「なら、既成事実を作ってしまえば、君は、私に反抗できないよね。」

と言って、先輩は、僕を押し倒してきた。ベットで良かった。頭打つと痛いから。ってそういう事じゃないだろ。まずいよこの状況。

「大丈夫、私が、全部やるから。心配しなくていいよ。」

この人マジだ。やばい、このままじゃ.......。

『コンコンコン』

と軽快な音が、部屋に、響いた。

「先輩、とりあえず1度離れて下さい。」

「あと少だったのに。」

先輩を、勉強机の椅子に座らせて、

「どうぞ」

と返事をした。

「裕太、入るわよ。」

と言って、母さんが、入ってきた。

「あ、雪乃ちゃん。お父さんが、帰るから、読んできて、って言ったから、呼びに来たら、ふたり、もう仲良くなったのね。」

「はい、話をして、仲良くなりました。じゃあ、行きますね。またね、裕太くん。」

と言いながら、小さく手を振って、彼女は、僕の部屋から出た。

先輩が、帰ったあと、僕と母さんは、晩御飯を食べて、僕は僕は、部屋に戻った。部屋で、考え込んでいた。どうして僕を、先輩が、好きになったのか。その理由を。

その晩、夢を見た。

2年が始まった4月のことだった。その日は、ちょうど、母さんの誕生日で、何を買ってあげようか悩んでいた。春休みを利用し、バイト代を貯めたんだ。何かいいものをプレゼントしたいと思っていた。

授業が終わり、僕は、教室を出ると、バス停に向かう方ではない方に、歩いていった。そこで、うちの学校の制服(多分ひとつ上の学年)の生徒が、ガラの悪い3人組に、捕まっていた。どうしようか悩んでいた。だが、僕の体は、頭で考えていたことと逆に動いた。

「すみません、この子、僕の彼女なんで、手、出さないでください。」

僕は、彼女の手を掴んで、その場から離れた。

「チッ、彼氏持ちかよ。」「ハズレだな。」「別の子探そうや。」

そんな声が聞こえてきていた。

数十メートル行ったあたりで、彼女の手を離した。

「ありがとうございます。」

「よくあるのかい。」

「いえ、今回が初めてです。」

「じゃあ、今後は、気をつけた方がいいよ。じゃあ、僕は、これで。」

僕は、その場を離れようとした。

「待ってください。なにかお礼をしたいのですが、なんでも言ってください。」

と彼女は、言った。

「じゃあ、今から、母親へのプレゼントをかいにいくから、それに付き合ってよ。それで、チャラでいいじゃん。」

「わかりました。では、行きましょうか。あぁっ、まだ自己紹介してませんでしたね。私の名前は、.......。」

そこで、僕は、目を覚ました。どうして僕は、忘れていたのだろうか。その時買ったスマホのカバーは、いまだに、母さんは、使っている。

「なんで、そんな大切な事を、俺は忘れていたのだろう……。先輩、可愛かったなー、今も可愛いけど」

と、呟きながら、僕はまた、眠りについた。

休みだし、いいよな?

3

「はぁ~、昨日は緊張した。」

私は今、バスの中にいる。

なぜバスの中にいるのかと言うと、学校に向かうためである。

「昨日は私、少し大胆過ぎたかなぁ……」

はあ~‼恥ずかしい‼やっぱり今思い出すと、恥ずかしすぎて、自殺しそう……

「……でも、裕太君もまんざらではなさそうな表情だったけど……」

そう、ちゃんと至近距離じゃないと分からないけど、顔立ちは結構整ってるし、

「何より、優しい所が、いいと思う……」

わぁ~‼何言ってるんだ私‼こんなんじゃだめだね。

「よし、そろそろバス停に着くし、気合い入れておかないと‼」

私は今、この路線の人が少ないことに感謝している。まずもって私以外いないんだけどねっ‼

「よしっ‼今日も一日頑張るぞっ‼」

お~‼

「終点、百日草《ジニア》高校前」

どうやら着いたようだ。

「運転手さんっ‼」

「どうしたんだい雪乃ちゃん?」

「今日も運転、頑張ってくださいねっ‼」

「若い子にそんな事言われると、頑張るしかないねぇ~。よしっ‼今日も頑張ります‼」

「じゃあ、行ってきます。」

「いってらっしゃ~い」

私は運転手さんから見送られ、バスを降りた。

バスを降りると、そこは、昨日、私と裕太君のキスしたバス停でした。

まあ、そうですよね。

だっていつも降りる場所はそこなのですから。

どうしましょう。

「昨日の事がフラッシュバックし、ちょっとドキドキする……」

ダメ、ダメ‼そんな事でドキドキしてたらダメよ。

「私は常に裕太君の理想の先輩でいなくちゃいけないんだから。」

でも、それってちょっとキツイかも知れない……。

私は歩きだした。あまり長居すると、遅刻してしまうからである。

私は、校門の方へ歩いて行った。

「あ、ゆっきーじゃん、おはよっ‼」

「ヒャッ‼出会い頭に胸揉むのやめてって言ってるじゃん、リン‼」

「ダ~メ‼これは私の毎朝の日課で三年間続けてるのっ‼だから~、ゆっきーの胸は、私だけのもの~‼」

「ひぅっ‼」

この現在進行形で私にセクハラしているのは、山沢夏鈴《やまさわかりん》。

ちなみに、彼女は、自分ではBだと言っているが、Aカップである。 

「何で今日は、何時もより強いのっ‼」

私はリンを振り払った。

「だって~、ゆっきーから、男の臭いがしたんだもんっ‼」

「はい?」

「その辺の女の子には分からないかもだけど、私にはわかるのよ。昨日、男子の部屋、しかも年下の2年生の部屋に行ったでしょう?」

「え……、行ってない‼行ったかもしれないけど、行ってないっ‼」

「今行った事の自白いただきました。」

「もうっ‼やっぱり、リンとは絶交っ‼」

「ごめん、ごめん。」

「早くしないと遅れますよ山沢さん。」

「もうすでに他人行儀⁉本当にごめんなさい‼そんなつもりなかったんだよ~、許してぇ~」

「フフッ、ごめんね、リン。ちょっと意地悪したくなってね。」

「も~っ‼」

私たちは、そのまま仲良く登校した。

「あいつが……でさ~、ねえ、ゆっきー聞いてる?」

「えっ、あ、ごめん。それで何だっけ?」

「ちょっと今日おかしいよ。何かあったの。さっきの時間もずっと心ここに有らずだったし。」

「そう、なの?」

どうやら、3時限目が終わりまで、私は、何も微動だにしてなかったらしい。

「あ、そろそろ時間だ。何か相談したくなったら、私を頼ってね。親友なんだから。」

「……うん。ありがとね、リン。」

「そんなのいいって。あ、ちゃんと授業は受けてね。評定落ち着か茂だから。」

「うん、わかったじゃあ、またあとでね。」

それからの授業もなぜか、集中することができなかった。

「ただいま~、て誰もいないんだけどね。」

私は、誰もいない廊下を抜け、リビングに向かった。

「あ、お父さん。居たなら電気くらい……」

「なあ、雪乃。今回の再婚どう思う?」

「え……」

「素直な意見でいい。お前が嫌なら……」

「嫌じゃないよ。お父さんが決めた人なんだもん。絶対いい人だよ。」

この言葉は嘘。私は、あの人の事をよく知らない。正直言うと、どうでもいい。

「そうか。なら質問を変えよう。裕太君はどう思う?」

「え……、そ、それは、どどど、どういう意味なの?」

「やっぱりそうか。お前、完璧主義者のくせに、わかりやすもんな。そこは、お前の母さんに似ているな。」

「でも、私の頑固なところは、お父さんに似たんだよ。」

「そうだな。で、どうなんだ。裕太君。」

「うん……正直言うと、彼の事で、頭の中が一杯なの。」

「そうか。なら、これは再婚してしまうしかない。」

「どうして⁉」

「まだよくわからん義息子に、俺の大事な娘はやらん。」

「なら、私が裕太君を貰ってくるっ‼」

「それもダメだ。私が許さない。」

「やっぱりお父さんは、親バカね。」

「親バカで何が悪い‼」

お父さんは、胸を張って言った。

「フフッ」

「ハハッ」

私たちはいつの間にか笑い合っていた。

やはり親子なのだと言うことを実感した。

「いいよ、再婚して。私たちは別の方法で結婚するから。」

「そうしてくれ。」

「うんっ‼」

私は決意した。

お父さん達の再婚は、最高のものにしようという事を。

翌日。その日も雨だった。傘は持ってきていたため、バス停までは、濡れることなく、たどり着いた。

「今日も、早いですね。そんなにホームルーム短いんですか。」

「いや、3年生は、意外と暇だから、早く終わるの。」

と少し微笑みながら彼女は、答えた。

「ところで、私とやる気になった?それとも結婚?いや、先に、妊娠させてくれるの?」

「あんたほんとに何言っちゃてってるんですか。やる気にはなりませんし、妊娠させる気もありません。でも、先輩が、いいなら、結婚を前提に、付き合いたいと思っています。かなり本気でです。」

「え、本当にいいの?本当に私なんかでいいの?後悔しない?まさか、私で散々遊んだあげくに捨てるとか言わないよね。そういうのも、気持ちよさ……。」

この人まさか、超ドMなんじゃないのか?俺そんな人と付き合っていいのか?

「先輩ってもしかしてMですか?」

「な、何故分かってしまったの?」

「質問を質問で返さないでください。」

「わかったわ。私は、超が付くほどドMよ。で、何故分かったの?」

「先輩の発言を聞いていたら分かりますよ。今度ドM発言したら、知りませんから。あと、この間の返事、ちゃんと言いに来ました。」

「本当に!?ちょっと待って、深呼吸させて。」

と彼女は、深く息を吸って、ゆっくりと吐き出した。

「じゃあ、言って、いいよ。」

「はい。それでは、……」

僕は、そうつぶやくと、少し頬を赤く染めている彼女の眼をまっすぐ見て、

「僕はこの世界でずっと一緒にいたいと思う人は、雨沢雪乃さん、あなただけです」

僕は、一言言った。

「そして、楽しい時は一緒に楽しみ、悲しい時はそばで支えて、泣いたり、笑ったり、時には喧嘩もするかもだけど、僕はずっと、あなたと一緒に居たいです。だから、僕と結婚を前提に付き合って貰えないでしょうか?」

「……いよ」

「えっ?」

「ずるい、そんな事言われたら、もう、断ったりできないじゃん……」

と彼女は言いながら。僕の頬に手を当ててきた。

僕は、そのまま、顔を上げた。

彼女の頬を、一筋の雫が流れ落ちた。

「返事、するね?

私も、世界で一緒にいたい人は、1人だけ、その人は、少し意地悪で、でも、とても優しい人。私はそんなあなたが、大好きです。だから、今、とても幸せです。不束者ですが、よろしくお願いします」

といった。そして僕は咄嗟に彼女を抱きしめた。

「ありがとう、ございます。先輩に気持ちが届いて、とても嬉しくて、嬉しくて、震えが止まらないです。本当に一生大事にします。こちらこそよろしくお願いします」

と、僕は、全力で抱きしめながら答えた。

「やっぱり抱きしめるのは、ズルだよ……」

「先輩の方こそ、涙は、卑怯です。」

僕らは、抱きしめあいながら、

「よろしくね、私の大好きな騎士《ナイト》さん。」

「こちらこそ。かなりMっ気の強いお姫様。」

僕らは、笑いながら、お互いに、言い合った。

「ところで、私そんなにMなのかな?」

と聞いてきた。

「相当ですよ。攻められるのが好みなんですか、先輩。やっぱり結婚やめようかな。」

「ひどい、結婚は、やめないで。攻められるのは、かなり好きかもしれないけど。あと、先輩っていうのもダメ。名字も。」

「じゃあ、何と呼べばいいんですか。」

というと、

「名前で呼んでよ、私の。」

と、さっきよりも頬を赤くして彼女は、言った。

「わかりました、雪乃。これからよろしく。」

「不束者ですが、こちらこそ、よろしくお願いします。」

僕らの物語は、やっと始まりを迎えることができた。

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雨が降っていますが、私と結婚しませんか?

第2話
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