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養女である私は、育ての親への恩返しのために、実の親とは一切の関わりを断っていた。彼らが死後に残した遺産さえ、養母を悲しませたくない一心で放棄したほどだ。

だが、世界は灼熱地獄へと姿を変えた。

家族は、義妹に男の子を産ませるための秘薬を手に入れてきた。

しかし、義妹はその不気味な代物を前に顔をしかめるばかり。

私は好機とばかりに、こんな状況で子供を産むべきではないと告げた。

それを聞いた彼女は、秘薬をこっそりと捨てた。

未曾有の熱波が始まって一週間も経たないある日、人工の雨が降った。

家族は、これで天災も終わりだと浮き足立った。

そして、義妹が私の言葉に従い、秘薬を捨てたことを知るやいなや、

一族の跡継ぎを絶ったと、私を激しく糾弾した。

私は家を追い出され、

灼熱の太陽の下、なすすべもなく焼け死んだ。

だが、私は死に戻った。今度は、莫大な遺産を相続した状態で。

この金で、完璧なシェルターを築き上げる。

そして、冷房の効いた快適な部屋から食事の配信をしてやるのだ。

裏切った家族が地獄で朽ち果てていく様を、特等席で眺めながら。

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趙弁護士からの電話を切った後も、彼の言葉が耳にこびりついていた。「あなたのお母様が亡くなられました。莫大な遺産を残して……」

私は養母に引き取られた子供だ。育ててもらった恩は決して忘れてはならないと、幼い頃から繰り返し教え込まれてきた。

だから、実の母親と連絡を取ることは許されない。それこそが、養母に対する本当の親孝行なのだと信じていた。

「雨だ!雨が降ってきたぞ!」

窓の外で雨粒が地面を叩き、瞬く間に土砂降りへと変わる。家の中からも外からも人々の歓声が沸き起こり、その声に私は思考の海から引き戻された。

その時だった。義妹が不意に振り返り、顔から笑みを消し去ると、憎悪に満ちた目で私を睨みつけながら、一歩、また一歩と詰め寄ってきた。

「招娣さん、あんたが言ったんじゃないか。この熱波は少なくとも三ヶ月は続くと。だから私は、あんたの言葉を信じて、跡継ぎを産むのを諦めたんだ。 それなのにどうだ!雨が降った。天災は一週間も経たずに終わったじゃないか。 どうして私にこんな酷いことをするんだ!」

一斉に、全ての視線が私に突き刺さる。彼らの顔から笑顔は消え失せていた。

養母が己の太腿を叩き、泣き叫んだ。「ああ、私の可愛い孫が!」

「私の息子を返せ!」義妹が、鬼の形相で飛びかかってきた。

私は慌てて自室へ逃げ込み、内側から鍵をかけた。

ドアの向こうでは、義妹と養母が狂ったようにドアを叩き、私の息子を、可愛い孫を返せと絶叫している。

まさにその時、何日も途絶えていた電波が復旧し、スマートフォンがコミュニティからのメッセージを受信した。

それは、この雨が人工降雨であること、人々の体温を下げ、水分を補給するための応急処置であり、天災との戦いはまだ続くという知らせだった。

私はドア越しに大声でその内容を伝えたが、それは彼らの怒りの炎に油を注ぐだけだった。

「人工降雨なんて、吉兆じゃないか!天災はもうすぐ終わる。政府は見捨てたりしない。数日おきに雨が降るなら、何も怖くない!」

「灼熱地獄だなんて、ふざけたことを!お前のせいで、わざわざ高名な先生から大金をはたいて授かったお札と薬が、時を逃して無駄になったんだぞ!ああ、私の可愛い孫が!」

「招娣さん、どうしてあんたの言うことなんて信じたんだろう。自分が憎い……」

義妹は、自分の頬を力任せに何度も何度も打ちつけた。

家族が慌てて彼女を止めに入る中、弟が私に向かって怒鳴った。「出てきて謝れ!」

それを遮るように、養母がさらに大きな声で吼えた。「謝って済むことか!謝罪で済むなら、警察なんていらないんだよ!」 分かっていたさ、この疫病神が!人を不幸にするためだけに生まれてきた、腹黒い化け物だってことは! 最初から拾うんじゃなかった。あのまま道端で、のたれ死なせてやればよかったんだ」

2

外のこのただならぬ状況では、ますます外に出る勇気など湧いてこない。長年フォローしている、信頼を置く専門家の投稿を目にするまでは。『雨水を集めろ。家にあるすべての容器を使い、雨水を確保しろ。天災はまだ終わらない。状況はさらに悪化する』

私は他のことなど構っていられなくなった。ドアを開け、皆に雨水を集めるよう説得しようとした。 だが、目に飛び込んできたのは、ソファにぐったりと横たわる義妹と、彼女を囲んで慰める家族の姿だった。

「わざとでしょう」義妹は憎しみを込めてその言葉を私に投げつけ、ぷいと顔をそむけた。

「これ以上、私たちをどうしたいっていうんだ!」父が鬼の形相で詰め寄ってくる。

私は恐怖に後ずさった。「そんなつもりじゃない。言ってることは全部本当よ」

しかし、どれだけ説明しても誰も信じようとはしなかった。彼らは、私が家族を陥れようとしていると決めつけている。子供の頃に受けた不公平な扱いを根に持ち、この機に乗じて跡継ぎを絶やそうとしているのだ、と。

私が説明すればするほど、彼らの怒りは増していく。

「今はお前の顔も見たくない。出ていけ。お前が言うその高温の天災からでも勝手に逃げればいい」

私は家族に寄ってたかって外に押し出され、背後で無情にドアが閉められた。ドアを叩くと、わずかに扉が開き、中から荷物が一つ、無造作に投げ出された。

それでも、私はアパートの敷地から離れなかった。いずれ彼らも私の正しさに気づき、受け入れてくれるはずだと信じていたからだ。

案の定、その日の夜、気温は異常なほどに上昇し、廊下は蒸し風呂のような熱気に満たされた。家族に電話をかけても、誰も出ない。

やがて、履いていた靴の底が熱で溶け始めた。靴を脱ぎ捨てた素足が床に触れた瞬間、火傷するような熱さに思わず飛び上がる。力任せにドアを叩き続けたが、開く気配はなかった。

一晩も経たないうちに、私の意識は混濁し始めた。遠のく意識の中、ドアの向こうから声が聞こえた気がした。

「長年食わせてやったんだ。そろそろ恩返しをしてもらう番だろう。あいつが本当に物分かりの良い子なら、こんな時に戻ってくるはずがない。食い扶持が一人増えるだけだ」

3

義妹は、椀の中の黒ずんだ液体を睨みつけ、苦虫を噛み潰したような顔で言った。「こんな気味の悪いもの、飲めるわけないじゃない」

私は自分の太ももを強く抓った。時間が巻き戻ったなんて、にわかには信じがたかった。

椀の中の液体は、母がある村までわざわざ足を運び、大金をはたいて高名な祈祷師から授かったお札を燃やした水――符水だった。旧暦の七月七日、つまり今日この水を飲み干し、さらに祈祷師が調合した秘伝の丸薬を四十九日間飲み続ければ、必ずや双子の男の子を授かるのだという。

もちろん、私はそんな非科学的な迷信を信じたことなどなかった。だが、前の人生で経験した灼熱の天災が、もう目前に迫っていたのだ。それは、少なくとも三ヶ月は続く地獄だった。

未曾有の熱波は、地震や津波を誘発する可能性が高い。そして、大災害の後には決まって疫病が蔓延するものだ。

その期間、生活環境は劣悪を極める。物資も医療も枯渇し、屈強な大人でさえ生き延びるのは容易ではない。ましてや、身重の体や生まれたばかりの赤ん坊にとって、それは死を意味した。

だから私は義妹に助言したのだ。子供を授かるのは、この天災が過ぎ去ってからでも遅くはないはずだ、と。

義妹は私の言葉に従い、人知れず符水を捨てた。そして数日後、私の忠告通りあの水は飲まなかったと家族に告げたのだ。

私は家族から袋叩きにあった。だが、まさにその時、予言した通りの熱波が襲来したのだ。気温は日に日に上昇し、物価は暴騰、人々がばたばたと倒れていく。連日、テレビは市民に最大限の警戒を呼びかけ、そのおかげで家族からの追及も一旦は鳴りを潜めた。――そう、恵みの雨となるはずだった、あの人工降雨が降るまでは。

今度の人生では、もう誰の運命にも干渉しない。ただ、私が味わった屈辱と絶望のすべてを、そっくりそのまま彼らに返すだけだ。

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高温末世、私だけが生き延びる理由

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