1

片桐沙耶香

燃え盛る厨房の中, 婚約者の勇斗は私ではなく, 煙にむせた義妹の奈々香を抱きかかえ走り去った.

私はパティシエとして致命的な火傷を負い, やっとの思いで家に帰ると, そこには私が開発した新作チョコレートを食べ散らかし, 抱き合って眠る二人の姿があった.

「奈々香はまだ子供なんだ! 」彼はそう言って, 常に義妹を庇った.

彼の裏切りと彼女の偽善に, 私の心は凍りついた.

彼の店のオープニングパーティー当日. 私は復讐のため, パリ行きの飛行機に乗った. 会場のスクリーンに, 私のビデオメッセージが流れるまでは.

彼が私ではなく, 煙にむせた義妹を抱きかかえ, 燃え盛る厨房から走り去るのを, 私は床に倒れて見ていた. 熱い炎が私の肌を焼くよりも, 彼の背中が, 私の心を凍えさせた.

第1章

閃光が走った. 耳をつんざくような爆発音. 熱波が私の顔を焼いた. コンクール用の新作を仕上げていた私の視界は, 瞬く間にオレンジ色に染まった. 炎が, 私の夢と, 私の全てを食い尽くそうとしていた. 私は本能的に顔を覆い, しゃがみ込んだ. 煙が喉にへばりつき, 呼吸が苦しい.

「勇斗! 」

私は声の限り叫んだ. 厨房の扉が勢いよく開き, 駆け込んできたのは婚約者の佐藤勇斗だった. 彼の目は私を探しているようだった. 私は希望に満ちた目で彼を見た. しかし, 彼の視線は私の隣, 煙を少し吸って咳き込む奈々香に釘付けになった. 彼は迷いなく奈々香に駆け寄る. 奈々香は勇斗の腕の中で, か細い声で彼の名を呼んだ.

「大丈夫か, 奈々香! しっかりしろ! 」

勇斗の声は焦燥と愛情に満ちていた. 彼は奈々香を抱きかかえ, 厨房から脱出する. 私を, その場に置き去りにして. 私の心臓は, まるで, 見えない手に強く握り潰されるかのように, 息ができなかった. 炎の熱よりも, 彼の裏切りが, 私の意識を遠ざけていった. 彼は私を助けに来たわけではない. 奈々香のためだった. 理解した瞬間, 全身から血の気が引いた.

「沙耶香さん! 沙耶香さん! 」

朦朧とする意識の中, 誰かの声が聞こえた. 店のベテラン職人である田中さんが私に駆け寄ってきた. 彼は私の腕を掴み, 力強く引き起こす. 「しっかりしてください! 外に出ましょう! 」田中さんの声は, 私を現実へと引き戻した. 私は彼の助けを借りて, 燃え盛る厨房から這い出した. 外に出ると, 救急車のサイレンが鳴り響き, 消防車が水を放っていた. 勇斗は, 奈々香を抱きながら, 私の方を一瞥することもなく, 救急隊員に奈々香の状態を必死に説明していた.

病院の白い天井を見上げていた. 全身の痛みよりも, 心の痛みが支配的だった. 右腕の火傷は深かった. 医者は, 「パティシエとしては致命的かもしれない」と冷酷に告げた. その言葉は, 私の心を深く抉った. 私の人生そのものだった. 勇斗との結婚, 勇斗の店の看板パティシエとしての未来. 全てが, あの炎と, 彼の背中と共に燃え尽きた気がした.

「勇斗... 」

私は虚ろな声で呟いた. 彼が一度でも私の方を見てくれたら, 違ったのだろうか. あの絶望的な状況で, 私を置き去りにした彼の行動が, 私の心に深く刻まれた. 私はもう, 彼を信じられない. 私を置き去りにした彼の背中が, 脳裏に焼き付いて離れない.

私は携帯を取り出し, SNSアプリを開いた. 勇斗とのツーショット写真, 彼が私に贈ってくれた指輪の写真, そして, 結婚式の準備の投稿. 全てを削除した. 指先が震える. 痛みよりも, 決意が私を突き動かした. 婚約指輪も, 彼にもらったプレゼントも, 全てゴミ箱に捨てた.

数日後, 私は勇斗にメールを送った. 「婚約は解消します. 結婚式の準備も全て中断してください. 」簡潔な文面だったが, 私の心中は嵐だった. 涙は出なかった. もう, 涙も枯れ果てたようだ. 勇斗からの返信はすぐに来た. 「沙耶香, どうしたんだ? 一体何があったんだ? ゆっくり話そう. 」彼の言葉は, まるで氷水のように, 頭からつま先まで私を凍えさせた.

医者の診断書を手に, 一人で病院の受付に向かった. 退院手続きを済ませる. 誰も迎えには来てくれない. 勇斗は一度も病室に顔を出さなかった. 「奈々香がまだショックを受けていて, 看病で忙しい」と, 彼からのメッセージがあっただけだった. そのメッセージを読んだ時, 私は感情すら湧かなかった. ただ, 虚しく, 彼のスマホのメッセージ画面を見つめるだけだった.

タクシーに乗って, 私と勇斗が暮らしていた家へと向かう. そこは, いずれ新婚の家となり, パティスリー・サトウの新店舗となるはずだった場所だ. タクシーの窓から流れる景色を眺めながら, 私は過去を振り返っていた. 勇斗との出会い. 彼が私に熱烈に求愛してきた日々. 彼の店を, 私のレシピで立て直そうと, 二人で夢を語り合った夜.

「沙耶香の作るお菓子は, 食べた人を幸せにする. 俺の店には, 沙耶香の才能が必要なんだ. 」

そう言ってくれた彼の言葉は, 偽りだったのだろうか. 彼は私に, 一生大切にすると誓ってくれた. 私の才能を, 誰よりも理解し, 応援すると言ってくれた. それなのに, 今の彼は, 私を顧みることすらしない. 私の火傷の心配も, 私の心の痛みも, 全て奈々香という存在の影に隠されてしまった.

全身の火傷がじくじくと痛む. 痛みは, 私の心に深く刻まれた傷と共鳴しているようだった. この痛みが, 私を正気に戻す最後の手段なのかもしれない. 私は, この痛みと共に, 全てを断ち切るのだと心に誓った. タクシーは, 見慣れた, しかし今はもう, 私にとって他人の家のように感じる場所へと到着した. 車を降り, 鍵を取り出す. 私の手は, 微かに震えていた.

ドアを開けた瞬間, 私の息が止まった. リビングは, 以前とは全く違う空間になっていた. 私の趣味で作ったアンティーク調の家具は消え, 代わりに, 奈々香好みのポップでカラフルなインテリアが所狭しと並んでいる. 私の大切なコレクションだった洋菓子作りの本が置かれていた棚には, 奈々香の雑誌が乱雑に積み上げられていた.

「これは, 一体... 」

声が震えた. 胸の奥から, 怒りがじわりと込み上げてくる. 勇斗は, 私に一言の相談もなく, 奈々香の趣味で家を改装したのか. 私のものだったはずの空間が, 奈々香によって侵食されている. 私の心は, まるで, 見えない手に強く握り潰されるかのように, 息ができなかった.

奥のリビングから, 微かに寝息が聞こえる. 私はゆっくりと, 忍び足でリビングへと向かった. 目にした光景は, 地獄だった. 勇斗と奈々香が, リビングのソファで抱き合って眠っていた. 奈々香の服は乱れ, 勇斗のシャツははだけている. 二人の間には, 使い捨てのチョコレートの包み紙が散らばっていた. それは, 私がコンクール用に開発した新作のチョコレートだった.

勇斗は, 私を放っておいて, 奈々香とここで... . 私の全身が, 冷たい氷で覆われたかのように凍りついた. 怒り, 絶望, 屈辱. あらゆる感情が, 私の心を激しく揺さぶる. 私の手は, 震えて, どうしようもない.

奈々香の衣服や化粧品が, テーブルの上に散乱している. 私の私物だったワイングラスの隣には, 奈々香の使いかけのリップグロスが転がっていた. この家は, 私と勇斗の思い出の場所だったはずなのに. もう, そこには私の居場所はなかった. 私の心臓は, まるで, 見えない手に強く握り潰されるかのように, 息ができなかった.

「勇斗... 奈々香... 」

私は震える声で呟いた. なぜ, こんなことに. 私の築き上げた全てが, 一瞬にして崩れ去る. 痛む火傷よりも, 目の前の光景が, 私の心を深く焼いた.

2

「勇斗! 」

私の声は, もはや感情を失っていた. 凍りつくような声に, 勇斗と奈々香は飛び起きた. 勇斗の目は大きく見開かれ, 奈々香は怯えたように勇斗の背中に隠れる.

「沙耶香... なぜここに... 」

勇斗の声は途切れ途切れだった. 彼は私の視線を避け, 奈々香を庇うように腕を回す. その仕草が, 私の心に最後の止めを刺した.

「沙耶香さん, 誤解です... これは... 」

奈々香がか細い声で言い訳を始めた. その声は, まるで獲物を前にした子猫のように震えていたが, 私の目には, 計算高い演技にしか見えなかった. 私は言葉を発する気力もなかった. ただ, 冷たい視線で二人を射抜く. 私の心は, もはや, 見えない壁に覆われていた.

「誤解? 何が? 」

私の声は, ひどく冷たかった. 自分でも驚くほど, 感情がこもっていなかった. 勇斗の顔が青ざめる. 奈々香は, さらに勇斗の背中に身を寄せた.

「沙耶香さん, ごめんなさい... 体が冷えてしまって... 兄さんに温めてもらってただけなんです... 」

奈々香は涙目で勇斗を見上げた. その言葉は, まるで氷水のように, 頭からつま先まで私を凍えさせた. 勇斗は, 奈々香の頭を優しく撫でる. その光景は, 私にとって拷問だった. 私は逃げ出したかった. この地獄のような場所から, 一刻も早く.

私がリビングのドアに手をかけたその時, 勇斗が慌てて私の腕を掴んだ. 「沙耶香, 待ってくれ! 話を聞いてくれ! 」彼の指が, 火傷の痕に触れる. 私は反射的に腕を振り払った. 痛みが走る.

「沙耶香さん, 兄さんに乱暴しないで! 私のせいで兄さんが困っちゃうじゃないですか! 」

奈々香が甲高い声で叫んだ. 勇斗は, 奈々香を気遣うように, 私の前に立ちはだかる. 私の心臓は, まるで, 見えない手に強く握り潰されるかのように, 息ができなかった.

「困る? あなたが? 私が火傷で苦しんでいる間, あなたはここで, 私の婚約者と抱き合って眠っていたのよ! 」

私の声は, 怒りと絶望に震えていた. 勇斗は俯き, 何も言えない. 奈々香は, 顔を真っ赤にして, さらに勇斗の腕にしがみついた.

「奈々香はまだ子供なんだ! 頼む, 沙耶香, 奈々香を責めないでくれ! 」

勇斗が懇願するような目で私を見た. その言葉が, 私の心の最後の糸をプツリと切った. 彼は, いつだって奈々香を優先する. 私の痛みも, 私の感情も, 全て奈々香の前では無意味になる.

「子供? 20歳を過ぎた大人が? あなたにとって, 私は一体何だったの? 店の看板パティシエ? それとも, 奈々香が寂しくないように, あなたのそばに置かれた飾り物? 」

私の声は, もはや怒鳴り声になっていた. 勇斗は後ずさり, 奈々香は怯えたように震えている. 私はもう, 何も期待しない. 何も信じない. 彼は, もう私の知っている勇斗ではない.

「沙耶香... 」

勇斗は何かを言おうとしたが, 言葉は出てこなかった. 彼はただ, 奈々香を抱きしめるだけだ. その姿を見て, 私は確信した. この関係は, もう終わりだ. 私の心は, もはや, 冷たい石のように動かなくなっていた. 彼は, 私の人生から完全に消え去るべき存在なのだ.

私は, 自分の部屋へと戻った. 私の私物は, ほとんどが奈々香の物と入れ替わっていた. わずかに残された大切な物だけを, スーツケースに詰め込む. それ以外の, 勇斗との思い出の品は, 全てゴミ袋に放り込んだ.

ゴミ袋の底から, 小さな木箱が出てきた. 開けてみると, 中には私が勇斗に贈った手作りのクッキー型と, 二人で初めて作ったケーキの写真が収められていた. その写真には, 満面の笑みを浮かべた私と勇斗が写っている. 何て馬鹿だったんだろう. この男のために, どれだけの時間を, どれだけの情熱を注いできたのだろう.

「バカな私... 」

私は自嘲気味に呟いた. 私の頬を, 冷たいものが伝う. いつの間にか, 涙が溢れていた. 私は, その木箱と写真を, ゴミ袋の中に戻し, ライターを取り出した.

「沙耶香, 何を... 」

勇斗が突然部屋に入ってきた. 私の手には, まだ火のついたライターが握られている. ゴミ袋の中の思い出の品が, 白い煙を上げ始めた.

「沙耶香! やめろ! 」

勇斗は私からライターを奪い取ろうとしたが, 私は彼の手を振り払った. 「これは, 私の物よ. あなたには関係ない. 」私の声は, 乾いていた. 勇斗は, 目の前の光景に呆然としている.

「奈々香が怖がっているんだ! 一旦落ち着いて, 話を聞いてくれ! 」

勇斗の目には, 焦燥の色が浮かんでいた. 奈々香のことが, またしても優先される. 私の心は, もはや, 彼の言葉に何の感情も抱かなかった.

「聞く価値もないわ. 」

私は冷たく言い放った. ゴミ袋の中の物は, 燃え尽きて, 黒い灰になっていく. 私の心も, それと同じように, 彼の存在から解放されていく. 私は, 携帯を取り出し, SNSに短いメッセージを投稿した. 「カウントダウン開始. 」

私は, その夜, 二度とこの家に足を踏み入れることはなかった. 私のSNSの投稿には, 「何が始まるんですか? 」「沙耶香さん, 大丈夫? 」といったコメントが寄せられていたが, 私はそれらを見ることもなかった. ただ, 私の心は, 静かに, そして冷たく, 燃え盛る炎のように, 復讐の炎を燃やし続けていた.

3

私の携帯が鳴った. 画面には, 勇斗の名前が表示されている. 私は無視して, 携帯をテーブルに置いた. 奈々香が, 隣で甲高い声で何かを話しているのが聞こえる.

「沙耶香さん, 勇斗兄さんが電話してるよ! 早く出てあげなよ! 」

奈々香の声は, まるで私の神経を逆撫でするようだった. 私は冷たい視線で奈々香を見た. 彼女は, 一瞬怯んだが, すぐにニヤリと笑った.

「兄さんは, 沙耶香さんのこと, すごく心配してるんだよ. でも, 私を置いていけないって. 仕方ないよね, 私, まだ子供だし. 」

奈々香は, 勇斗の腕に抱きつき, わざとらしい甘え声を出した. 勇斗は, 困ったような顔で奈々香を見つめている. 私の心臓は, まるで, 見えない手に強く握り潰されるかのように, 息ができなかった. 彼の優柔不断さが, 私をさらに絶望させる.

「沙耶香さん, お願い! 兄さんを困らせないで! 私, 兄さんがいないと生きていけないの! 」

奈々香は, 涙目で私を見つめた. その言葉は, まるで氷水のように, 頭からつま先まで私を凍えさせた. 勇斗は, 奈々香の頭を優しく撫でる. その光景は, 私にとって拷問だった. 私の心は, もはや, 彼の言葉に何の感情も抱かなかった.

「本当に困っているのは, あなたたちの方でしょう. 」

私の声は, ひどく冷たかった. 勇斗は, 奈々香の頭から手を離し, 私の方を見た. 彼の目には, どうしようもない困惑の色が浮かんでいる.

「沙耶香, 奈々香も悪気があって言ってるんじゃないんだ. もう少し, 奈々香の気持ちも考えてやってくれ. 」

勇斗の言葉は, まるで氷水のように, 頭からつま先まで私を凍えさせた. 彼は, いつだって奈々香を庇う. 私の痛みも, 私の感情も, 全て奈々香の前では無意味になる.

「私の気持ち? あなたは, 私の気持ちを一度でも考えたことがあるの? 」

私の声は, 怒りと絶望に震えていた. 勇斗は, 言葉に詰まる. 奈々香は, 怯えたように勇斗の背中に隠れた.

「沙耶香, 俺は... 」

勇斗は, 何かを言おうとしたが, 言葉は出てこなかった. 彼はただ, 奈々香を抱きしめるだけだ. その姿を見て, 私は確信した. この関係は, もう終わりだ.

「もういいわ. あなたの言い訳なんて, 聞きたくもない. 」

私は冷たく言い放った. 勇斗は, 私の言葉に傷ついたような顔をした. だが, 私の心は, もはや彼を許すことはできない.

「結婚式も, 新店舗のオープンも, 何度も延期になっていたわね. それも, 奈々香の気分次第で. 」

私は冷笑した. 勇斗は, 何も言えない. 奈々香は, 顔を真っ赤にして, さらに勇斗の腕にしがみついた.

「もう, あなたに用はないわ. 私は, あなたとの関係を, 完全に終わらせる. 」

私の声は, もはや怒鳴り声になっていた. 勇斗は後ずさり, 奈々香は怯えたように震えている. 私はもう, 何も期待しない. 何も信じない.

私の心は, もはや, 冷たい石のように動かなくなっていた. 彼との口論は, 私にとって, ただの時間の無駄でしかなかった. 彼は, もう私の知っている勇斗ではない. 私は, ただ, この場から立ち去りたかった.

「沙耶香, 本当にこれでいいのか? 俺たちの関係は... 」

勇斗が懇願するような目で私を見た. 私の心は, もはや, 彼の言葉に何の感情も抱かなかった. 彼の言葉は, 私にとって, ただの雑音でしかなかった.

「沙耶香さん, 兄さんは沙耶香さんのこと, すごく大事にしてるんだよ... 」

奈々香が, 勇斗の腕にしがみつきながら, か細い声で私を諭そうとした. その言葉は, 私にとって, ただの嘲笑でしかなかった. 私の心臓は, まるで, 見えない手に強く握り潰されるかのように, 息ができなかった.

「分かったわ. あなたがそう言うなら, 私も諦めるしかないわね. 」

私は, 冷たい笑みを浮かべた. 勇斗は, 私の言葉に安堵したような顔をした. 奈々香は, ニヤリと笑った.

「沙耶香さん, 分かってくれて嬉しいな! やっぱり沙耶香さんは大人だもんね! 」

奈々香が, 勇斗の腕から離れ, 私に近づこうとした. 勇斗は, 奈々香の手を取り, そのまま二人でリビングを出て行く. 奈々香は, 私を一瞥し, 勝利の笑みを浮かべた. その表情は, まるで氷水のように, 頭からつま先まで私を凍えさせた.

勇斗と奈々香が去った後, 私は一人, リビングに残された. 彼らの背中が見えなくなるまで, 私はただ, その場に立ち尽くしていた. 私の心は, もはや, 冷たい石のように動かなくなっていた. 私は, 携帯を取り出し, アルバムを開いた. そこに保存されていた, 勇斗と奈々香が抱き合って眠る写真を, 私は, ある人物に送信した. 私の計画は, いま, 始まったばかりだ. 私のSNSには, またしても「カウントダウン開始」の投稿がされた.

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炎が暴いた裏切りの真実

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