話 2
チャールズの唇にキスをした後、デビーはすぐに身を引き廊下から逃げだし、真っ直ぐに部屋に走って戻った。
「デビー!」 ケイシーはドアを閉めると叫んだ。 「あなたは最高だったわ!」 彼女は誇らしげに言って、デビーの背中を叩いた。 息を切らして逃げ出した後、デビーは安堵のため息をついた。
一方、突然のキスの後、チャールズの表情は暗くなっていた。 彼はしばらくその場に立ったままだったが、501号室の中に少女の姿が消えていくのを見た。 ボディガードに頼んでデビーを部屋から連れ出し海に放り込むように頼もうとしていた時、電話が鳴った。
邪魔されたことにイライラしながら電話に出た。 数秒何かを聞いた後、「わかった、 すぐそこに行く」と電話を切った。 通話終了のボタンを押し、チャールズは501号室をチラッと見た。 怒りを抑えようとスッと息を吸い込んだ。 彼の会社では緊急事態が発生しており、すぐに対応が必要だった。
「今日は見逃してやるよ。 そして、二度と俺と会わないように祈った方がいい。 次俺を挑発したら逃げられないだろうからな」とチャールズは立ち去りながら呟いた。
501号室の中では、デビーは赤くなった頬をこすりながら、恥ずかしさで頬が燃えるように赤くなるのを感じていた。 彼女の人生の中で最も馬鹿げたことだった。 心臓がドキドキして、彼女の頭の中は色んな考えでごちゃごちゃだった。 何てことなの! 初めてのキスだったのに、誰だか分からないなんて!
これは浮気をしたことになるの?
まあ、気にしないわ! 私はすでに離婚届けにサインしたんだから。
それに、チャールズがそれにサインをする気がなくても大丈夫よ。 法的に、2年以上別居している夫婦は、どうせ自動的に離婚したとみなされるんだから。
結婚してから、3年会っていないわ。 だから法的には、もう彼の妻ではないのよ。 それじゃ私が浮気をしたことにはならないわ。
それに、ただのキスだったし...
デビーは周りの存在を忘れていた。
突然、ケイシーは「なんてことなの!」と叫んだ。 クラスメートは皆、突然叫んだ彼女に注目した。
「どうしたの、ケイシー? びっくりさせないでよ!」 ワインを飲もうとしていたクリスティーナ・リンは、ワインをこぼしてしまい、胸を叩いて落ち着こうとした。
興奮したケイシーは、まだまともに考えられないデビーに歩み寄り、肩を揺すった。
「あの男が誰だか知ってるの?」 彼女は聞いた。 デビーが罰ゲームでキスをした相手は、女性なら誰もが夢見る男性だ。 若くてハンサムで、金持ちで権力者で、その上に大きな国際企業まで経営している。 そう、その男性は あの有名なフオ家の御曹司だ。
「さあ、誰かしら?」 デビーはシャンパンのグラスを手にして、一口飲みながら聞いた。
「チャールズ・フオよ!」 ケイシーはデビーの顔を見ながらその名前を叫んだ。 その名前だけで全てのことがわかるはずなので、デビーにはちゃんと聞いてほしいと思った。
ケイシーがチャールズの名前を口にした瞬間、デビーはシャンパンを口から噴き出した。 デビーは、クラスメートの顔にシャンパンがかかったことに気づかず、激しく咳き込んだ。 シャンパンを顔に浴びせられて怒るどころか、ケイシーは呆然としていた。
ジャレドさえ、その名前を聞いてびっくりした。 「チャールズ・ フオ? おてんば娘、お前はもう終わったな」と言った。 ジャレッドはY市にある金融会社の総支配人の息子で、チャールズの名前は雷鳴のように彼の耳に響いた。
チャールズ・フオというおなじみの名前に、クリスティーナ・リンも悲鳴を上げた。 「デビー、あなたはあのチャールズ・フオにキスをしたのよ。 あのチャールズ・フオ! ああ。 間接的に彼とキスするようなものだから、キスさせて!」とからかった。
だが、クリスティーナのふざけた話はまったくデビーの耳に入らなかった。デビーはティッシュを手に取り、ケイシーの顔を拭こうとしたが、あまりにもショックで謝ることができなかった。
すると、クリスティーナはデビーにキスをしようと前に出てきたら、
デビーは何かを思い出したようで、急に立ち上がった。 「ケイシー、私が廊下にいたときに私の名前を呼んだ?」 とデビーは聞いた。 彼女はある考えに身震いした。 「最悪よ! もしチャールズ・フオが私の名前を覚えているとしたら、どうしよう?」とデビーは考えた。
びしょびしょなケイシーは、顔を拭こうとティッシュを取り「ええ、呼んだわ」と怒ったような声で答えた。 「それだけで興奮しているの? ええ、チャールズ・フオとのキスはスリル満点だっただろうね。 でもあなた、大げさよ?」 とデビーを静かに罵倒した。
何てことなの! 私の顔! そして私の髪! 至る所にシャンパンがかかったわ!とケイシーは思った。 デビーは、謝罪と同時にケイシーの腕を慰めるように撫で、「あなたたち、楽しんでちょうだいね。 私は今すぐ行かなきゃならないの」と突然言った。
その言葉を口にするや否や、誕生日の主役は慌てて出ていった。 誰もが呆然とした表情で彼女の後ろ姿を見ていた。
彼女の友達はみんな同じことを考えていた。 彼女は追いかけるつもりだろうか? チャールズ・フオを? 正気を失っているのか! 皆、チャールズを狙っている女性が大勢いることを知っている。 そして、このような女性を追い払うために、チャールズは彼の部下に彼女らの服を脱がして路上に放り出すように頼んでいたらしい。 デビーもそんな目に遭うかもしれないので、デビーがチャールズのところに行くのを止めようと、みんな同じ考えだった。
彼女の友達は、デビーの計画を阻止しようと、部屋から飛び出した。
しかし、デビーはどこにもいなかった。
デビーはバーを出るとすぐにタクシーを呼び、運転手に滞在先の別荘に連れて行くと指示した。
チャールズは私だと気付かず、今夜は別荘に来ないように。 そうでなければ、離婚を頼んだことを後悔して、彼の気を引くためにキスをした、と思われてしまう。
シートの背もたれにもたれて、デビーは起きた事について考え続けた。
3年前に婚姻届にサインした後、チャールズはフィリップに彼女の食事や衣類、必要なものは何でも与えるように命じた。
しかし、デビーは結婚した男を一度も見たことがなかった。
彼は仕事が忙しく、海外での仕事に時間を割いていた。
また、Y市にいた時でさえも、チャールズは別の別荘に泊まっていた。 彼とデビーはまるで月と鼈で、同じくY市にいたって会う機会は滅多にない。 その結果、この3年間、彼らは一度も会ったことがなかったのだ。
婚姻届については、デビーの父親がまだ生きていた間、ずっと持っていた。 しかし、死ぬ直前、デビーが夫と離婚することを恐れてチャールズに渡した。
デビーがチャールズの顔を知ったのは、今になってからだ。
立ち上がった彼女は、ふと何かを思い出し、額を叩いた。 ああ、一度彼に会ったのを思い出したわ、とデビーは思った。 デビーは彼のオフィスに何度か遊びに行ったことがある。 しかし、毎回、彼女を出迎えたのはチャールズの助手で、夫の姿を見る機会は一切なかった。 最後に会社に行った時、デビーは名を名乗らなかったので、警備員は彼女が建物に入るのを認めなかった。 その時、チャールズは海外出張から帰ってきたばかりだった。 そして、外に立っているとき、遠くで夫が車から降りるのを見ていた。
残念なことに、遠すぎて彼のことをよく見ることができなかった。 しかも、それはもうずっと前のことだった。 それに、チャールズの名前を知っているとしても、インターネット上で彼の写真を見つけることが不可能だ。 彼は非常に秘密主義者で、メディアのインタビューにも応じず、自分の写真をネットに投稿することも一切許さない。
一度だけ、チャールズの写真が公開されたことがあった。 その写真では、チャールズが女優の手を握っていたそうだ。 しかし、デビーがそれを見る前に、写真は既に削除されてしまった。
でもついさっき、彼女は夫の顔を見たのだ。
さらに、チャールズにキスをした! 彼が離婚届にサインしていれば、厳密には彼は彼女の元夫ということになる。
チャールズは、社交界では女性は余るほどいることで知られているが、率先して自分に近づいてくるような女を嫌うと言う。
それはデビーが動揺するもう一つの理由だった。 なんて事を! 私は終わりだわ。 彼は私だと気付かないようにと彼女は静かに祈り続けた。
別荘に到着した彼女は、灯りが点いていないことに気付き、深い安堵のため息をついた。
「たぶん、彼はケイシーが私の名前を呼んだのが聞こえなかったから、私の身分に気づかなかったのかもしれない。 神様ありがとう!」 デビーはつぶやいた。
彼女はまだ赤いままの顔を叩き、リビングルームのソファに横になり、今夜起きた出来事をすべて顧みていた。 「彼は私だと気づいたなら、間違いなく私を嫌うだろう。 でも、多分、それは良いことよ。 それで彼はためらうことなく離婚届けにサインするわ」と彼女はつぶやいた。
デビーは、Y市立大学経済経営学部ファイナンス学科22クラスの学生だ。
彼女のクラスには50人以上の学生が在籍していた。 40人は大学入試に合格し、残りは裏口入学だった。
Y市立大学は、地元の大学のトップ3に入っている。 チャールズもこの学校を卒業していた。 そのため、この大学に入学したい人はたくさんいる。 デビーは裏口入学した一人だった。
マルク・ドゥ教授は、教室の前の壇上に立っていた。 彼は眼鏡を鼻に押し上げて深呼吸をしながら、大半の学生の眠そうな顔を見つめていた。
突然、大きな音がした! 教授が机の上に本を投げたのだ。 その音で多くの学生は目を覚まし、すぐにきちんと座った。
しかし、最後列に座り、白のコートを着た少女は、まだ机の上で眠っていた。
マーク・ドゥは怒りに震えて「デビー・ニアン!」と叫んだ。 白髪混じりの髪で年をとったに見えるが、声は相変わらず大きかった。 沈黙中、ピンと落ちる音が聞こえた。
しかし、まだ熟睡しているデビーには、騒音も沈黙も何も関係なかった。 まだ夢の中にいる彼女を、皆が見つめていた。
話 3
「デビー! デビー!」 居眠りをしているデビーに、隣りのクリスティーナは優しい声で呼びかけ続けた。 起きるのが嫌なデビーは、袖を常に引っ張られているのを感じた。 しかし、それを無視すればするほど、呼びかける声と引っ張る力は強くなっていった。 その結果、デビーは諦めて、やっと目を覚ました。
まだ完全に眠気を覚ましていないデビーは不機嫌そうにクリスティーナの方に振り向いた。 「クリスティーナ、私を起こした理由はちゃんとあるのよね......」
クリスティーナはあるところを指差した。 デビーはクリスティーナの指差したところを目で追うと、それは壇上で激昂しているマルクだった。
マルクのその顔を見ただけで、デビーは氷のように冷たい水を顔にかけられたように感じた。 「ヤバッ!」 デビーは気を取り直して、激しく首を振って正座した。
前に立っているマルクは、大学の中でも特に頭の固い教授の一人として知られている。 デビーはカバンの中から教科書を取り出し、適当なページを開き、自分を笑っている人たちに冷たい視線を送った。
すると、あの人たちは、何が起こったのかわからないふりをして、すぐ壇上に注目した。 状況が収まったので、マルク教授は授業を再開した。
「うわー、教授はすごく怒っているように見えるわ......」とデビーは後悔しながら頭を抱えた。 「私は絶対に彼の試験に失敗しちゃうよ」
教室にいる学生たちは、誰一人もデビーをバカにしようとはしなかった。 デビーの身分も背景も一切不明ということを、教室の学生たちだけでなく、大学中の全員が知っている。
その上、デビーは常に他人と喧嘩したり、酒に溺れて授業を休んだりなどして、実に荒れる学生だ。 要するに、大学生らしいことを、デビーは一つもやったことがない。
Y市立大学では、学生手帳に「髪の毛を染めたり、マニュキュアを塗ったり、派手な宝石を身につけてキャンパスに来ることは禁止」と記載されている。
しかし、デビーはそれを無視し、髪を淡い紫色に染め、爪に真っ赤なマニュキュアを塗った。 大学の教授たちは皆デビーの背景を恐れているため、誰も彼女を𠮟る度胸がない。
出身と背景のおかげで、デビーは退学処分を気にせずに、大学でやりたいことを思う存分やることができる。 だが、今回マルクはデビーを簡単に見逃すつもりがない。
「デビー・ニアン」マルクは冷たく呼び「金融とは何か説明しなさい」と言った。 マルク教授も当然デビーの背景をよく知っている。 チャールズの助手――エメット・ジョンは大学では、マルクの仕事の関係者の一人だ。 それに、チャールズ本人もマルクの元生徒だ。 だが、責任感が強い教授として、マルクは学生、特にデビーの悪癖を正さなければいけないと考える。
本を読んでいるふりをして、デビーは前の席を蹴った。 彼女の向かいに座っているのは、クラスの模範生、成績がいつもA以上のディクソン・シュウだ。
それを合図に、ディクソン・シュウはデビーの言いたいことを理解し、すぐに答えが書かれているところまでページをめくり、彼女が見えるように左にスライドさせた。
答えをみたデビーの横顔には、満足げな笑顔が刻まれた。 その時、多くの人々がこっそりとデビーに目を向け、誰もが彼女の美しさを心の中で称賛した。
白い肌、丸くて無垢な目、形が美しい鼻、柔らかくて赤い唇、女の子なら誰もが憧れるような顔立ちだ。
実際上、今日デビーはスッピンで化粧を全くしていなかった。しかし、横顔はそれでも優美だ。 しかも、顔だけでなく、デビーは太すぎも瘦せすぎもなく、スタイルも満点といえる。
学業成績さえ良ければ、デビーはとっくにY市立大学の第一美女になったんだろう。
「よし、ここから読めばいいのね」とデビーは立ち上がり、瞬きをしながらディクソン・シュウの本を読み始めた。 「金融とは、2つの関連する活動を説明する用語です。お金の管理方法の研究と......」
マルクはデビーのカンニングを見抜き、激怒した。 「十分だ!」 マルクの声が部屋中に響き渡り、クラス全員が怯えた。
学生たちは、教授が必死に怒りを抑えているのがわかった。
誰もが怯えて少しも動けなくなったこの時点、デビーはマルクに笑顔を見せて「ドウ教授、私の答えは間違っていますか?」と聞いた。
それを聞いてマルクは怒りで顔を真っ赤にした。デビーは自分のしたことを後悔し、許しを請い始めた。 「ドゥ教授、怒らないでください。 授業が終わる前までに、その答えを暗記します!」 と、デビーは約束した。 デビーは、チャールズがマルクの元生徒であることを知っているので、他の学生たちほどにマルクを怖がらないが、やはり暴れすぎない方がいいと考えた。
デビーの言葉を聞いて、落ち着いたマルクの顔の赤みが消え始めた。 マルクに言わせれば、デビーは実は賢い子だ。 彼女が勉強に専念すれば、楽にA判定を取る生徒になれる、と、マルクはずっと思っている。 しかし、だからこそ、デビーの横暴な行動をこれ以上許してはいけない。 「勉強が好きではない? いいだろう! 君が多くの試験に失敗した? それもいいだろう!」 と、マルクはデビーを睨みつけた。
「でも、私のクラスでは落第は許されないぞ!」 マルクはデビーに怒鳴った。
「また私の授業で寝るようなことがあったら、ジャレド・ハン、クリスティーナ・リン、ケイシー・ゼン、君たち三人は旗の下に立ってろ!」 とマルクはそう宣言した。 「わかったか! ?」 名前を挙げられた三人は、教授の発言に戸惑い、うめき声をあげた。
「なぜデビーがミスをしたのに、私たちは苦しまないといけないの......」と三人全員が思った。
マルクがこの決断をした理由は、デビーは友達に忠実な人だからだ。 自分の利益のために他人を傷つけようとするなんて、デビーにはできない。 それは、マルクが見い出したデビーの長所だ。
デビーは マルク教授を睨みつけ、 心の奥底で 教授のことを呪った。
またすぐ頭を上げて、「わかりました、ドウ教授。 これからは絶対教授の授業で居眠りなんかしません」とデビーは自信満々に答えた 言い終わると、デビーは自分の席に腰を下ろし、ペンを手に取り、ノートに適当に書き始めた。 マルクは、デビーがメモを取っていると思い、満足そうな表情を浮かべた。しかし、実際には落書きをしているだけだった。
ベルが鳴ると、マルクは最後の言葉を残し教材をまとめ、教室を出て行った。
マルクが教室を出た瞬間、デビーの周りに数人が集まった。
皆は教授への不満を言い始めた。
「おい、おてんば娘。 ドウ教授の話聞いたんだろう。何とかしてくれないかい?」 ジャレドが聞いた。 不満そうな表情がジャレドの顔に表れた。 一体なぜ自分たちはデビーの代わりに罰をうけなきゃいけないんだ? ドウ教授は変わった男だとジャレドは思った。
身長210センチのジャレドは、大学一背が高い学生だ。 それに加え、ジャレドはデビーの親しい友人の一人で、人情深い男だ。
「デビー、二度とドウ教授の授業で寝ないでね......」クリスティーナはデビーの腕をがっしり掴み、可愛らしく泣き言を言った。 「お願いよ......」デビーのもう一人の友人であるクリスティーナは小柄で、長くカールした髪型から魅力がにじみ出てくる。
「デビー、私は3301号室の美人担当だよ、そんな風に顔を晒すわけにはいかないのよ、ね?」 寮で一番の美少女だと自画自賛するケイシーが言った。
今、デビーは離婚問題やチャールズとのキスなど、いろんなこと精神的に落ち込んでいる。 デビーは周りの騒音に苛立たち始めた。 彼女は本を手にして机に叩きつけると、本が机にぶつかる音が部屋中に響き渡り、全員が静まり返った。
その部屋にいた全員が、振り返ればデビーの視線で凍りついてしまうと思った。 全員、口を閉じた。
緊張感が高まっているのを感じ、その緊張感を和らげようと、ケイシーは声を上げた。 「ねえ、今思い出したんだけど。 今日、シャイニングインターナショナルプラザで盛大なプロモーションがあるの! みんな来ない?」
立ち上がってケイシーの方に向かい、デビーは満面の笑みで「行く行く!」と言った。 多分、デビーはずっと欲しがっている口紅があるから行くだろうね......と、ケイシーは忖度しながら、ふざけているように白目を剥いた。
親友として、ケイシーとデビーはお互いのことをよく知っている。
そういえば、デビーはいつも酒を飲んだり喧嘩したりしているのに、口紅に興味を持つなんて、結構意外だ。 それに、普段デビーはカジュアルな服装をしていて、ファッションについてはあまり気にしない。 口紅を集めるということだけに、誰でも止められないほど執着がある。
そう決めた後、デビーたち全員が集まり、シャイニングインターナショナルプラザに到着した。
広場の中では、 独特なデザインで言いようのないファッション感が溢れている。
シャイニングインターナショナルプラザは、北斗七星座にちなんで、7つの建物で構成されている。
建物の名前は、ダブへ、メラク、フェクダ、メグレス、アリオス、ミザール、アカイドという7つだ。
各建物のてっぺんにはライトがあり、夜になるとそのライトが点灯し、パノラマ地図を持っていると北斗七星座になることがわかる。 それは、実に息をのむような光景だ。
全国一番有名な照明デザイナーは、ダイヤモンドがちりばめられた空をイメージしてこのデザインを作った。この広場を歩くと、まるで星の海を歩いているかのような感覚だ。 北斗七星とユニークなコンセプトに包まれたこの広場が、多くの人に気にいられるのは当然のことだ。 特に若い恋人たちの中には、この広場は星空を間近に眺めるデート名所として人気がある。