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他の部活を覗く気分にもなれず、そのまま僕は帰宅した。

 30年ローンで二階建ての一軒家‥‥一人っ子。

 二階の自室で入学資料の入ったカバンを放り出し、学ランをハンガーにかけて、セミダブルのベッドに大の字で寝転がる。

 ほとんど使っていない勉強机と古いノートパソコン、高校教材。

 漫画やラノベ中心の小さい本棚‥‥中学の教科書は捨てた。

 あとはテレビ、ブルーレイレコーダー、ゲーム機、将棋盤、囲碁、エアコン。

 壁紙は白で、グリーンの遮光カーテン。

 スマホを確認してSNSやメールの返事を出す。

 そのまま、ウトウトし始めた所で。

「真和ー、御飯よー」

 母さんの呼び声に目を覚ます。

「はーい」

 階段を降りてダイニングへ。

「おう、真和。これ、入学祝いだ」

「親父、今日は早いな‥‥ありがとう。開けてもいい?」

「もちろんだ」

 プレゼントの包装紙を剥がすと‥‥。

「あー‥‥卓球の‥‥ラケット、だよね。これ」

「おう。ペンとシェーク両方買ってきたから、使いやすい方を使うといい。ラバーも結構イイヤツなんだぞ」

「お母さんからは‥‥はい、これ」

 ニコニコ笑顔の両親に嫌な予感しかしない‥‥。

「あ、開けるね‥‥」

 恐る恐る包装紙を剥がすと‥‥卓球のラケットの絵が描かれた箱。

 中身は‥‥やっぱりピンポン球だった。

「ピン球ってのは消耗品だが、1個100円前後するんだぞ」

 10ダース=120個‥‥1万2千円!?

「試合用の球になると300円以上するな」

 マジかよ!?

 めっちゃ言い出しにくいじゃねーか。

 ‥‥でも、ここは、キッパリ言わないとな。

「親父、母さん‥‥ごめん。僕、卓球部には入らない事にしたんだ‥‥」

「なんでだ!? 入るって約束してくれたじゃないか」

「そうよ。お母さんも真和と卓球するの楽しみなのよ?」

「なんか仮入部の受付で、丸坊主にして来いって言われてさ‥‥せっかく美容院に行って髪型キメたんだぜ? ごめんな」

 椅子に座ったままだけど、テーブルに手をついて頭を下げた。

「うーん、そういう事なら仕方ないかしらねぇ‥‥?」

 困ったように親父を見る母さん。

「いや、そんな理由じゃ納得できんな。俺が抗議に行ってやる!」

「貴方、短気を起こして喧嘩はしないでね?」

 親父は気が短い所があって、怒ると怖い。

 基本的には所謂『いい人』なんだけどな。

「分かってる。明日は早退して、学校に抗議に行ってやるから、真和は校門で待ってろ、な?」

「ん‥‥うん」

 とりあえず、頷くと。

「さあさ、御飯が冷めちゃうわ。頂きましょう♪」

「おう!」

「いただきます」

 こうして、僕の高校生活が始まった。

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高校デビューの卓球初心者vs.告白100人斬りの女子マネコーチ

第3話
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