話 1
「見てよこの寝顔。面白くない?」
「あははっ、おもしろーい!」
誰かの話し声がきこえる
しかも俺の近くで。
眠りについたと思ったらすぐ目が覚めてしまった。
「ん......?」
少し目を開けて確認しようと思い目を開けるとそこには......。
「ねぇ見てよ、起こしちゃったみたい......」
「あっほんとだー」
「............は?」
目を開けるとそこには、二人の美少女がいた。
「え、ええと......どういう事だ......」
俺は夢かなと思い自分の顔を抓ってみるも普通に痛かった。
ということは......これは現実なのか?
「あ、あの......どうか私たちのことは誰にも言わないでくださいね?」
「え、えっ?あ、ええと......君たちは?」
突然のことで俺は頭が混乱していた。寝起きと言う事もあるのかも。
「私の名前は氷空そら。そしてこっちは愛梨あいりです」
穏やかにそう言う氷空。そして、なぜか俺の事をジト目で見る愛梨。
「お、おう......俺は綾乃。それで、君たちはなんで俺の部屋に?」
「それがよく分からないんです。どうして私たちはこの世界に来たのかとか、なぜ私たちは綾乃さんの部屋にいるのか......と、とにかく、私たちの事は絶対、他の人には言わないようにしてください」
氷空はじっと俺の目を見てそう言う。
「あ、うん......いいけどさ。と、とりあえず、俺はもう寝るから......」
明日は学校があるため、俺は氷空との話はここらへんにして再び眠りについた。
話 2
氷空、愛梨について何もわかっていない。
昨日の言っていたことを思い出してみると、まず二人はこの世界の人ではないという事は分かっている。
それに、二人の存在を、なぜ他の人に言ってはいけないのだろうか?
「あっ、おはようございます綾乃さん。一応朝ごはん食っておいたので良かったら......」
翌朝。
キッチンの方に行くと、なぜかエプロン姿の氷空がいた。
「あ、うん、おはよ......ってか、なんだその格好......」
「あ、はい。どうやらこの世界では、料理をするときはこのエプロンと言うものをつけるらしいので......い、一応、料理は出来るんですよ?」
たしかにエプロンをつけて料理をする家庭はある。
ただ......この子の場合は違かった。
「そ、そっか。いや、エプロンをつけるのは間違っていない。間違ってはいないんだけど......その、エプロンの下には服を着るものなんだよ?」
「えっ?そうなんですか?......通りでなんか違うなとは思ってたんですけど......」
「............」
そう。これは、裸エプロンという名のやつだ。
まさか朝からこんなものを見るとは......どうなってんだ。色々とおかしい。
「と、とりあえず......朝飯だな」
裸エプロンと言うものでは俺は興奮はしない。......何言ってんだ。
テーブルの上には、トーストしたパン、サラダにコーンスープと言う......朝ごはんと言えばのものだった。
別に不満があるわけではないのだが......この子は料理が出来るんだなってちょっと感心した。
話 3
今日、謎の美少女が家に来た。いや、昨日か......?
朝から結構刺激の強いものを......ま、まあ、別にいいけどさ......。
「......ふぅ」
学校に来て自分の席に着いたかと思えば、まずは外の景色を見てため息。
その日によって考えることは違うが......今日は、氷空について考えていた。
氷空は童顔に小柄な体躯たいく、優しい性格と言う......朝会っただけだが、まあそんな感じ。
そんなことを考えつつも、教室を見渡してみる。
本を読んでいる人、少人数のグループになって話をしている人たち......と、一人の少女と目が合ってしまった。
その少女は俺と目が合った後会釈をし本読みに入っていった。
「あれ......あんな子いたっけか......?」
そう。俺はこのクラスになり数カ月過ごしているが、その少女だけは初めて見た。
間違って別の教室から入ってきたのかなと思ったが、そんなことはなかった。
というか、始業式にあんな子いたか......?いや、俺が忘れているだけだ......うん......。
と、そこへ。
「――おーすっ、元気か綾乃?」
俺の友人である、佐藤吉柳さとうきりゅうは、笑いながら俺に話しかける。
「まあ一応」
「一応ー?どういうことだってば、朝からなーんか憂鬱そうなしやがってよー」
「いや、昨日......」
そこまで言って、氷空が言っていたことを思い出した。
言ったとしても別になにかある訳は......と思ったが、氷空の言うことは守らないと。
「昨日?何があったんだよ?」
「え、ああいや、ちょっとハマってるゲームを朝までやっててさ......ははっ」
俺は適当な理由をつけ、最後には乾いた笑いを返した。