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ついにたどり着いた。魔王城!

 かつて日本で何もない日常を送っていた俺だが、この世界に勇者として呼び出され、ついに魔王城に来ることができた。

 この世界に呼び出された時は驚いたけど、RPGと思ってしまえば、すんなりと理解できた。

 特殊能力とかは一切なく、強いて言えば、地球にあるありとあらゆる情報が見れてしまうようになったこのスマホだけ。地球の情報が見れるだけなので、実践向きでもなく、銃なども、作成方法なども見れてしまうわけだが、作成や素材収集の手間を考えたら、この世界にあるものでレベルアップしていったほうが速いし、はっきりいってしまえば、地球以外の世界にいる限り、あってもなくてもいい情報たちだ。なので、完全にレベル1からのスタートだった。が、今はレベルMAX。1からでもやればできるんだなぁ。

 さすが魔王城。魔物たちの攻撃が激しいな。しかし、1ヶ月くらい前に倒したドラゴンに比べれば弱すぎる。ま、あのドラゴン級の魔物が出てきてはほしくないんだけど。

 さて、魔王の部屋はどこかな。たぶん1番豪華な扉とかの部屋に居そうだけど。

 ん?あった!多分この部屋だな。よしっ!

 ガチャ

「よ・・くぞゴホッここまゴホッでゴホッたどりゴホッついたな」

・・・・・・へ?ちょっと待って。俺まだ部屋に入っただけだよ。なにもしてないよ。あっ、そうか。誰かが先にここまで魔王を追い詰めたのかな。でも、それにしては魔王に戦いの傷とかが見えないけど。自動回復か?それは厄介だな。って、それもないだろうな。なぜなら、

「あの、大丈夫ですか?体調物凄く悪そうですけど」

勇者なのに魔王の心配ってなんか変な感じだな。

「すまんゴホッ わしもゴホッそろそろゴホッ寿命なんじゃろうなゴホッ」

あれ?誰か来た。というかまだ倒していないやついたんだ。魔王の側近ってあたりか?

「大丈夫ですか魔王様?薬になります」

「すまないゴホッ」

あっ、この間に攻撃しかければよかったのでは?いや、魔王戦の前には魔王とのトークタイムが定番だ。やっぱり現実で勇者になれたのだからちょっとやってみたいし、会話できるまでそっとしておくか。これで魔王から襲ってこなければいいけど。

「ありがとう。助かった。下がっておいてくれ」

「分かりました」

あ、帰っていった。

「すまない。寿命が近いんじゃろう。どうもここ3、400年近く体調が悪くての。しかもどんどん悪化していっておるんじゃ」

魔界に病院とか回復系の魔法が使えるやつってないの?

「は、はぁ」

「はっきり言って、わしはもうお主と戦う力も残ってはおらん。せめて今回の騒動の責任をわしの命をもって取らせてはくれぬか」

「責任って、そもそもあなたは、魔物以外の生物を征服するために各地を魔物が襲わせているのではないのですか?」

「それは人間の勘違いじゃ。わしが眠りから覚めたという噂がどこからか流れての、その時既にわしは人間と戦える力もなかったのじゃ。じゃから、わしは、全ての魔物に命令・・・いや、お願いをしたのじゃ。わしの命が尽きるまで、魔物たちには暴れないでおくれ、そしてできればわしの命が尽きた後も暴れないでくれと。魔物が他の種族に害を与えなければわしのところまで誰かが来ることはないじゃろうしな」

「だったらなぜ魔物が暴れているんですか?」

「それは、どこかの国の人間たちが、わしを倒そうとパーティを組んで静かに暮らしている魔物を殺したのじゃ。そのことはすぐにわしの耳にも届いた。そして、魔王軍のさしずめ四天王と言ったもんか、そいつらがわしのことを守ろうと独断で警備を強化したのじゃ。それが人間にとっては魔物の進軍とでも見えたのか知らんが人間の攻撃が激しくなったのじゃ。そして、もちろん魔物たちも戦闘態勢になっていったのじゃ。そして、気がつけばわしが支配のために進軍させたことになってて、もう止められなかったのじゃ」

「そうだったのですか・・・」

「そうじゃ、お主、わしの願いを1つだけ聞いてくれぬか?」

「なんですか?世界の半分をもらってくれとかなら聞きませんよ」

「何だそれは?わしは世界の半分を与えられるほど領地はもっとらんぞ。そんなのじゃなく、わしの子どもを育ててくれぬか」

「・・・・・・え?今なんて?」

「じゃから、わしの子どもを育ててくれぬかと言ったのじゃ。わしは何もしなくともあとはもう短い。まだ生まれたばかりで、わしのことを父親とも認識していないと思う。なら、わしのことを父親と認識する前にお主を父親と認識させ、お主の子供として育ててくれぬか」

「なにか裏がありそうなんですけど」

「裏なんてなにもないぞ。もしわしが嘘をついてたとして、それをお主が気づいたら、いつでもわしを殺してくれて構わない」

いや、魔王さん、僕、あなたを殺しに来たやつやんですけど。

「は、はぁ。ちなみにいくつか聞きたいことがあるんですけど、魔物はあとどのくらい残っているのですか?」

仮に魔王の子どもを育てて魔王を支配し、世界も支配しようとなんでしだしたら困る。

「わしとさっきいた側近の2人だけじゃ。他はもうおらん」

「そうですか」

しかし、子育てには費用がむちゃくちゃかかるって日本にいた頃にTVで見たことあるな。あっ、魔王を倒すなり静めるなりした報酬に何かもらえるかな。それでどうにかなるか。しかし、魔王の子どもだろ・・・

「うーん、分かりました。魔王を信じるということはしたくありませんが、私の持ってるスキルに嘘かどうかを判別できるというものがありますが、それを使ってあなたを見てみましたが、どうやら嘘をついている様子はないですし、信じることにします」

「おぉ!願いを聞き入れてくれるか」

「はい」

「ありがとう。本当にありがとう」

魔王に感謝されるって変な感覚だな。

「礼として、わしの側近を手伝いとして向かわせよう」

「いや、いいですよ、あなたの側近が居なくなってしまうではないですか」

もう、魔王を倒そうなんて頭にはない。気配察知(スキル)を最大まで広げてみたが、魔物のどころか生物の反応は一切しなかった。仮にどうにかひて侵攻してきたら倒しに行けばいいだけだし。

「何を言っている。お主は今からわしを倒すんじゃよ。それにもう側近には話してある。わしはもういいのじゃ。さっき側近に下がらせたのは出発の準備と子どもたちを運ぶ準備をさせるためじゃ」

「本当にいいのですか?例え相手が魔王とはいえ、本当に病人で後も少ない方を殺すというのはさすがに気が引けてしまいます」

これは勇者としては訳わからん言動だな都自分でも思った。

「金縛りの病人をいつまでも生かしておく、わしは拷問だと思うのじゃが。それにお主はわしを倒しに来たんじゃ。無駄なことは考えんでいい。ただ、1つだけ頼みを聞いてくれればいいのじゃ」

「分かりました」

今の魔王は異常状態のようなもんだ。なら、恐らくだが、すべての攻撃が通常より高くなるはず。なら、痛む時間も短いはず。

「行くぞぉぉぉぉ」

━━━━魔王戦から1時間後

「確か側近さんがいろいろ準備してるって言ってたし、ここで待ってるか」

側近さんは、頭まで服をかぶっていたから、どんな顔をしているかとかは分からないけど、声の感じからして女の人かな?

「お待たせー」

えっ、誰?

「えっと、魔王の側近の方でしょうか?」

「そだよー」

マジかよ。さっきと態度が全然違うな。

「もしかして私の態度の変わりように驚いてるー?」

「う、うん」

「君、地球から来たでしょ」

「何でそれを!?」

僕をこの世界に呼び出した奴らには地球出身だってことは伏せておいてくれって言っておいたのに。

「何でって君がこの世界じゃ通用しない言葉を発していたじゃないか」

えっ、何だっけ?そんな発言したかな?

「・・・気づいてないみたいだね」

「何ですか?全くわかりません」

「『世界の半分をもらってくれとかなら聞きませんよ』これ、DQのラスボス戦で出てくるメッセージだよね」

「あっ、確かに。というかどうしてそれを?その時あなたは居なかったはず」

「魔王に【感覚同期】を使って聞いていたんですよ」

「感覚同期とは?」

初めて聞くものだな。

「感覚同期はね、面識のある1人の相手の五感を全て自分のものかのように感じることができる魔法だよ。極めれば、五感全てではなく、五感の内1つだけ同期させるということもできるよ。また、これは聞いた話だけど、さらに極めれば、1人ではなく複数相手の五感を同期させることも可能らしいよ。あなたが知らなかったのは当然だと思うよ。だってこれレアスキルだもん」

レアスキルだと!?レアスキルって世界でも使い手が非常に少ない魔法のことじゃん。

「まー、態度が変わったのはそれだけじゃないんだけどねー。君、私が態度変えても怒らなさそうだしー、なにより同郷の人に会えるなんて思ってもなかったからねー」

「同郷!?地球からってこと?」

「そーだよー。東京に住んでたよー」

本物だ。地球から来たことは何らかの理由で情報が漏れてたのかもしれないと思ってたけど、この世界に連れてきた奴らも日本から来たってことも知らないし、なにより、「東京」という地名まで出てきちゃったからな。これは本当に日本出身の人だ。

「今、何で魔王側についてるか疑問に思ったでしょー。それはね、私がこの世界に来たときに一番はじめにいた場所がこの魔王城だったからだよー」

「なるほど。そりゃ敵対できるわけもないか」

「直接危害を加えるところには就きたくなかったので、魔王の側近としていることにしたんだよ。と言っても、魔王のイメージと違ったけどね」

それは激しく同意するな。

「ちなみに、君はどんなレアスキルを手に入れたの?」

「・・・・・・は?」

「いや、レアスキルだよレアスキル。転生又は転移者には何か1つはランダムで付与されるらしいよ」

「そんなこと言われても、完全にレベル1からの冒険だったし・・・もしかして、これかな?」

「えっ、ちょっスマホ!?なんで使えるの??」

「えっと、多分これがレアスキルかな?地球のありとあらゆる情報を見ることができるようになってたし」

「えー、いいなー。私、スマホ持ってたけど使えないからずっと片付けたまんまだよ。時間も合わないし」

「と言われましても、これを使うことはまったくなかったんだけどね」

「えー、もったいない。銃とか作ったらもっと簡単にここまで来れたんじゃないのー?」

「弾丸の補充どうするんだよ。手間かかりすぎるだろ」

「それもそうかー」

「それで、魔王の子どもは・・・こんなに幼いのかよ!?確かに親として認識していない内にとか言ってたけど完全に赤子じゃん」

「あー、それですが、このアイテムを使えば、5年分の成長を一気にできるらしいよー。ゲームで言ってしまえば強化アイテム?」

まてまてまて、強化アイテム強すぎだろ。1つで5年分ってどんなのだよ。

「確か、この2人を預けてもいい奴が来るまで赤子のままおいておくって魔王言ってた」

「なーるほど」

「そういや、あなたの名前、なんて言うんですが?」

「俺か?俺は横谷 大空[よこや そら]だよ」

「大空かー。ん、覚えた。私はね、竹山 かれんって言うよ」

「じゃあ、かれんって呼んでもいいか?」

「いいよー」

2

「それで、大空、この後はどうするの?」

「この後は、とりあえず俺が出発した国に戻って魔王討伐の報告をする予定だけど」

その後は・・・どうしようかな。ま、それはその時に考えればいいか。

「OK、じゃあ行こ」

 静かだ。本当に静かだ。

 なぜこんなに静かかというと、魔物は全部倒してしまって魔物が居なくて、風もほとんど吹かないこの魔王城付近は俺とかれんの足音しかしないからだ。

「そうだ、さっき言ってた【レアスキル】についてもう少し詳しく教えてくれないか」

「え?【感覚同期】のこと?」

「いや、それじゃなくて、レアスキルそのものについて」

「あー、いいよー、でも、私も本で読んだものしか分からないからね」

「ああ」

━━━━━━━━レアスキルとは

 転生、又は転移者には必ず1つ付与される非常に強力で珍しいスキルのこと。

 また、転生、又は転生者以外の、この世界の住人も、ごくごくごく稀にレアスキルを持っているらしい。しかし、それは生まれつき持っているもので、どうにかして習得することはまずできないと考えられている。ただし、それは魔物以外での話。

 魔物達は、知能が人間の10数倍にもなる個体もいて、そのあたりの魔物になると、レアスキルを習得することができる。が、これができる魔物も、人間の10数倍の知能を持っている魔物の中の1%にも満たない。

 1人が複数のレアスキルを習得することは、全歴史を探っても片手で数えれる程しかいない。

 レアスキルは、世界の根本をひっくり返してしまう程強力なものもたくさんある。

 また、同じレアスキルは、そのレアスキルを保有している者が生きている間は他の誰もそのレアスキルを保有している者はいない。

━━━━━━━━

と、まぁレアスキルについてはこんな感じらしい。かれんも本で読んだだけだから、少々違ってる部分はあるかもしれないが。

「そうそう、魔王が、【勇者には5つレアスキルが追加される】って言ってたけど、何か増えた?」

なんだそれ、レアスキル5つって、魔王がチートな世界だったのか。魔王が全快状態だったら絶対勝てないじゃん。

「どうだろう?見てみようか」

「【能力鑑定】」

能力鑑定は、名前の通り、能力を鑑定するものだ。そして、この世界の人はこれを一番最初に習得するらしい。もちろん、このスキルにも、スキルレベルがある。が、スキルレベル1の状態で十分実用的だから、スキルレベルを上げるものはあまりいない。スキルレベル1では、自分のステータスが分かり、敵対する相手の最大体力が分かる。

━━━━━━━━横谷 大空のステータス

横谷 大空

Lv.99

ATK 1090

MP  5000

MAT 2180

年齢 : 18歳

性別 : 男

新規習得スキル

★ 魔法生成 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 魔法付与 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 魔力同期 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 魔力変換 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 時間操作 SLv.1 Lv.1【NEW】

習得済スキル

・=ノーマルスキル

★=レアスキル

☆=レアスキル派生

✪='魔法生成'により生成した魔法

SLv.=スキルレベル

Lv.=レベル

【NEW】=新規習得スキル

★ 情報収集 SLv.6++ Lv.9999

 ☆ 速筆 SLv.1 Lv.1

 ☆ 拡散 SLv.1 Lv.1

 ☆ 複製 SLv.1 Lv.1

・ 能力鑑定 SLv.1 Lv.120

・ 虚実判定 SLv.1 Lv.150

(省略)

★ 魔法生成 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 魔法付与 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 魔力同期 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 魔力変換 SLv.1 Lv.1【NEW】

★ 時間操作 SLv.1 Lv.1【NEW】

━━━━━━━━

「え、ちょっと待って、何このチート級のレアスキル。ほとんど魔法や魔力の根本に関わるやつじゃん。最後の【時間操作】って何???まさか、タイムワープとかできるの?というか、新しく追加されたもの以外にも、俺のスキルってこんなに凄かったんんだ」

今まで何度も能力鑑定を使った時、新規習得スキルはよく見ていたけど、習得済スキルのところは見てなかったからなぁ。

「どうだった?大空のステータスは?」

あっ、そうだ、能力鑑定のスキルレベル1のときは、【能力鑑定】の鑑定結果は、スキル発動者にしか分からなかったんだったね。

「んー、いろいろ凄いから、感覚同期を使って見てみてよ」

「なるほど、それなら発動者にしか見れない鑑定結果も見れるね」

「・・・・・・えっと、これはどういうこと?」

「どういうこと?と言われても、魔王討伐して、もらったスキルだけど、魔王が持っていたスキルおかしいよね」

「それも十分おかしいけど、それじゃなくて、情報収集のSLv.6++でLv.9999ってとこだよ。私の感覚同期はSLv.3+のLv.1059だよ」

「どうしてだろ、俺も分からないけど・・・・・・もしかして、最初の頃、いくらレベル上げやろうとしてもステータスが微量しか上がらなかったのは情報収集のレベルに回っていたからか?」

「よく分かんんない・・・そうだ、情報収集SLv.6++もあるんだったら、自分のスキルの説明も集めれないかな?」

「やってみよう」

・・・・・・

「うーん、分からない」

「そっか・・・」

「あっ、魔法生成でスキル説明を作ってしまえばいいんだ」

「でもどうやって使うか分かるの?新しいスキルだよね」

確かに、どうやって使うんだろ・・・とりあえず、イメージしてみよ。

空中にRPGのメッセージウィンドウみたいなものが出てきて、それでスキル説明をしてくれるみたいな・・・・・・

「ちょっと、大空!光ってる!!」

「え?これって、まさかスキル新規習得時のアレだよね?」

「そうだね」

「え、ってことは魔法生成は成功?」

「そういうことだよね。どうやったの?」

「こんな感じにしたいな〜ってイメージしただけだな」

「使ってみてよ」

よし、じゃあ使ってみるか。・・・あれ?どうやって使うんだ?基本的に使い慣れたもの以外は、スキル名を言うことで、【詠唱省略】のスキルが自動的に作動してスキル(魔法)が発動するけど、名前なんて分かんないぞ、作ったの自分だけどw

・・・あっ、そういや、魔法生成のとき、スキル名を言わなくても発動したよね。イメージしただけで発動したし。今回もそれでいけるかな?

『本魔法は、使用することで魔法の使用方法、効果などの説明を見ることができます。まず、本魔法に名前を付けてください』

「「ん!?」」

2人が同時に言った。

どこから声がしているかわからないけど、2人ともが聞こえたってことは幻聴とかではないだろう。

「どんなのがいいだろう・・・」

「魔法説明書とかは?そのまんまだけどww」

おっ、いいね、それ採用。

「じゃあ、【魔法説明書】で!」

『承知いたしました。では次に初期設定を行ってください』

初期設定?ゲームみたいだな。

「ふぅー、思ったより多かったな」

初期設定内容には、最初にこのスキルを作るときにイメージした《RPGのメッセージウィンドウ》的なものを表示させるか?とか、そのウィンドウを可視できるのは誰にするか?とか音声アナウンスは誰に聞こえるようにするかとか色々あった。

「どんな設定にしたの?」

「えーっと、ざっくりいうと、魔法説明書のメッセージウィンドウと、アナウンスは、俺とかれんとそこの魔法の子どもには聞こえるようにした。けど、アナウンス自体をOFFにしてるから、あんまり関係ないな。それ以外は、内部、システム的なところの設定だった」

あと、発動条件とかあったけど、後回しにした。あとでも設定はできるみたいだから、歩きながらじゃなく、どっかゆっくりできるときにやろう。なので、スキル(魔法)名を言うことによる発動か、なぜかできるイメージによる発動が発動条件になる。

設定は、よくやっていた(日本にいたころ)やつに似ていたから、手慣れた操作でやっていったが、かれんは、そういうのが慣れていないのか、頭に「?」でも浮かんでそうな状態だった。

「【魔法説明書】」

おっ、ウィンドウが出てきた。タッチで選択できるかな。

あ、タッチ操作できた。えーと、とりあえず、魔法生成の説明でも見ようかな。

━━━━━━━━

魔法名 : 魔法生成

 名の通り魔法を生成することができる。最初の5回を除いて、使用後は、2ヶ月【魔法生成】を使うことはできない。また、使用後167時間(7日間)は身動きが取れなくなる。

 尚、上記の制限は、レアスキルクラスの魔法を生成したときのものであり、通常の魔法生成なら、1ヶ月、24時間になる。

━━━━━━━━

 かなり簡単な説明だな。って、そういう設定にしたんだけど。というか、本当に[設定]って、魔法感が全く無いよねwww

「えーっと、魔法生成を使ったあとは1日動けなくなるってことは、私が面倒見るね」

「お願いします」

「なんで敬語?いいよいいよ、気にしなくて」

「とりあえずいくつか作ってみよう」

・・・・・・

 よし、とりあえずいくつかできた。5回ぴったり使ったから、これからは、制限がかかるね。

「何を作ったの?」

「えーっと」

 ・大図書館

 (あらゆる情報を教えてくれる魔法)

 ・空間操作

 (名前の通り)

 ・不可視

 (特定の対象は自分又は魔法付与された人が視界に全く入らない)

 ・気配遮断

 (名前の通り、気配を遮断するもの)

を造った」

なお、(かっこ)の中はイメージしたものだ。

「え、大図書館は、魔法説明書を作る前に作っておけばよかったじゃん」

「まぁ、作ったあとに言われてもね」

「それもそっか」

「そうだ、【空間操作】を使って目的地まで行けない?」

「おっ、いいね、やってみよ」

「【空間操作】」

「おぉ、ドア縁のないどこ○も○アみたいだね」

確かにそうだな。何もなしに空間がそのまま繋がってる。表現は色んな意味で危ないけど気にしたら負けだなこれは。

「到着ー!いやー、長いようで短い道のりだったね」

「そうだな、といっても、空間操作で移動してきた距離のほうが長いけど」

「じゃあ、魔王討伐の報告のために、王城に行こうか」

「りょーかい!って、この子どうするの?」

「んー、一緒に連れていくしかないよね」

「ま、そうだよね」

━━━━━━━━王城へ向かう途中、城下町にて

タタタタタタタタドンッ

「ん?」

なんだ?何かあたってきたような気がすr・・・( 'ω')!?

・・・・・・

えーっと、これは、俺に当たってこけたってことでいいのかな?

そこには、見た感じ、10歳にもなってなさそうな女の子がこけて、今にも泣きそうになっている。

「大丈夫?もし、俺に当たってこけたならごめんよ」

「だ、大丈夫、うっ」

あ、やっぱり怪我してる。

「とりあえず、怪我だけ治しておくね」

擦りむいただけっぽいし、普通の回復魔法で十分だよね。

「あっ、ありがとう!お兄ちゃん、名前、なんて言うの?」

「俺か?俺は大空だよ」

「大空お兄ちゃん、怪我治してくれてありがとう!今は急いでいるけど、このお礼は王家として、また今度するね!」

わお、ちょっと見た目10歳以下とは思えない発言だな。というか「おうけ?」えーっと、まぁ、【王家】の人がこんな町中にいるわけないし、おうけっていう名字とかそんなあたりかな。そしてなにより、ちょっと擦り傷治しただけなのに、そこまでしなくても・・・

3

「えっと、かれんとその子は宿で待っててくれ」

「え?どうして?さっき一緒に行くって言ってたじゃない」

「いや、よく考えたら、魔王の子どもを王城に連れて行くのは問題が起こりそうじゃん」

「あ、そっか」

「ということで、留守番よろしく。報告だけだから、すぐに帰ってこれると思う」

「りょーかい、帰ってきたらいい加減この子の名前考えてあげないと。あと、この強化アイテム的なものを早く使ってあげないとね」

「そうだね」

━━━━━━━━王城にて

よし、やっとついた。そういや俺、この国の王を見たことないんだよな。いや、俺だけじゃなくて他の人も見たことない人しかいないみたいだし。なんでいつも代理の人しか出てこないんだろう・・・まぁ、いいか。

「横谷 大空、魔王を討伐してまいりました」

魔王を討伐って言い方合ってるかな?

「おぉ、勇者大空よ、ついに魔王を倒してくれたか。ほんとにありがとう。これでまた平穏な日々が過ごせるよ」

「それはよかったです」

魔王が実は襲う気なんて全く無かったことは言ったら話がややこしくなるし、まぁ言わなくてもいいかな。

「報酬として、なんでも好きな願いを言うといい」

え、マジすか。じゃあ、日本に帰してくださiって無理だよね。

「えーっと、それじゃあ、この国の王に会ってみたいんですけど」

「えーっと、そっ、それは・・・構いませんが、それでいいのですか?」

「はい」

「それでは、今から言うことを絶対に守ってください」

「?、は、はい」

なんだ?何か王に関して事情があるのか?

「1つ、このことは何があっても他言してはならない

 2つ、姫を侮辱する言葉はかけてはならない

 以上だ」

「は、はい、分かりました」

━━━━━━━━王(王女?)の部屋の前

コンコン

「ニーナ様、いらっしゃいますか?」

シーン・・・

いないのかな?

「どうやらニーナ様はご不在のようだ。また後日来るといい。世界を救った勇者の願いだからな。できれば叶えてやりたい」

「はい、分かりました。ありがとう御座います」

「では、門まで見送ります」

━━━━━━━━門に行っている途中

 そっかぁ、王(?)いや、姫って言ってたし王女?だよな。確か名前言ってたような・・・あっ、そうそうニーナ様だ。ニーナ様は居ないのか。

タタタタタタタタドンッ

ん?あれ、誰か後ろから抱きついてきた?

「あ!昼間のお兄ちゃん!何でここに居るの?」

え、それ、こっちのセリフなんだけど。

「えっとね、魔王ってのを倒して、それをここに報告するためにここに来たんだよ」

「え、お兄ちゃん、勇者なの?」

「そうだよ」

「ニーナ様!どこに行っておられたのですか?」

へ?ニーナ、様???この子、どこかで会ったような・・・あっ、ここに来る前に・・・

「えー、ちょっとさんぽー」

「無断で外出するのは控えてくださいといつも言っていますのに・・・」

あぁ、何となく分かってきた。けど、理解が追いついてこない。多分、ここに居るのは、王城に来る前に会った子だろう。そんなに顔とかを見てたわけじゃないからあんまり覚えてないけど。んで、その子が、この国の王女だということ?だよな、きっと。

さっき言われた注意事項の意味がやっと分かったな。一国のボスがこんな10歳にも満たっていないような少女、いや、幼女が治めているなんて王城自体がナメられてしまうからか。

「ねぇねぇ、君がこの国の一番偉い人かな?」

「そうだよ」

ドヤァと言ってしまうんじゃないかってくらいドヤ顔してるな。というか、「おうけ」って、本当に「王家」のことだったよかよ・・・

「お兄ちゃん!」

「いや、大空でいいよ」

「お兄ちゃん、」

「大空でいi」

いや、もういいや。

「お兄ちゃん、お願いはなにを叶えてもらったの?」

あぁ、何でもっていう報酬だし、気になるのかな。

「君に会うことだよ」

「え?ニーナに?そんなことでいいの?ニーナはお兄ちゃんがいいならいつでもいいのに。あと、ニーナのことはニーナって呼んでいいよ」

いやいやいやいや、一国の長をそんな呼び方してのいいのか?

「え、いいの?」

「ニーナがいいからそれでいいの!」

「様とかはつけたほうがいい?」

案内してくれていた代理の人が、「当たり前だろ!!!」とでも言いたそうに睨んできてる。ちょっと怖いなぁ。

「つけなくていい!つけないで!ニーナの、ニーナの、友達でいて」

「え、と、友達!?」

え、友達って、いや、俺は全然いいけど。

「だめ・・・?」

いや、上目遣いは販促だろ。

「いや、俺はいいけど」

「やったーー!」

ぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。

「ニーナ様、お話の途中失礼しますが、あと10分程で、会議の時間となりますので・・・」

「いや!今からお兄ちゃんの家に行くんだもん!」

えっ!?いや、家、無いんすけど。今さっき魔王城から帰ってきた転移者に家なんてあるわけがない。

「ですがニーナ様・・・」

「お兄ちゃん助けて!」

( 'ω')ファッ!?いやいやいや、どんな会議するかは知らんが、会議には出席したほうがいいでしょ。でもまぁ、こんな幼女を、長時間話だけの場に拘束するのもなぁ。

「あの、」

「取込中なので、後にしていただけませんk

「黙って!」

「は、はい」

「何?お兄ちゃん」

「会議は、出席しないといけないのですか?ニーナの声が届けばいいのでは?」

もちろん日本じゃこんなことOKなわけがないが。

「いや、会議自体はそれでもOKですが、そんな遠くに居るのに声を届けるなんてことできるわけがありません」

「言質はとったぞ!よし、ニーナ、俺が今泊まってる宿に行くか?」

「うん!」

「いや、だから、声を届けるなんてことできもしないのですから」

「だ・か・ら、声を届けりゃいいんでしょ?」

「ニーナ、何かいつも見肌はなさず持っているものはある?」

「えっとねー、このネックレスかな」

よしきた。

「ニーナの写真はこの城にある?」

写真・・・?なに?それ

え、この世界にはカメラないのかよ。

「あ、似顔絵とかは?」

「あ!あるよ!この前描いたんだ〜」

え、ニーナが?

「ちょっと待っててー」

「これ!」

おぉ。

「鏡見ながら頑張ったんだー」

「すごいじゃん」

「じゃあ、これを会議に持っていってください」

「は?なにをいっていr

「持っていって!」

「はい」

「これをどうするの?お兄ちゃん」

「今から空間魔法を作る」

「え?魔法を作るなんてできるわけがない」

「俺の持っているスキルには、魔法生成ってやつがあってな、1日動けなくなるが、新しい魔法を作ることができるんだ」

「スキル?スキルってなぁに?」

「あ、魔法のことだよ」

何気なくスキルって言っちゃうんだよなぁ。

「そんな魔法見たことも聞いたこともないぞ」

「まぁ、レアスキルだからな」

「は?何を言っている。貴様の」

「貴様って言っちゃだめ!」

まぁ、さっきから分かんないことばっかり言われてたら腹も立つだろうよ。

「勇者のレアスキルは、情報収集のはず」

あ、知ってるんだ。

「俺はレアスキルを6つ持っている」

「😏フッ何を言っている。レアスキル複数所持など数万年に1人いるか居ないかだぞ。しかも6つとは」

もうめんどいからスルーで。

「とりあえず作ってみるか」

えーっと、空間同士を繋げる感じで・・・

『警告。

 現在生成中の魔法は、類似の効果を持った魔法を取得しています。魔法生成しますか?

 ▷YES

  NO』

「え、NOで」

あれ、・・・あっ、【空間操作】あった。自分で作ったのにすっかり忘れてたよ。

「ニーナ、ちょっとそのネックレスかして」

「これ?いいよ」

よし、じゃあ、この似顔絵とネックレスを【空間操作】で繋げて、時間操作でこの2つは時間が現時点のままで止まるようにして、魔法を固定して・・・

「よしできた」

ホントは普通に通信みたいな感じでやりたかったけど、いいよね。ちなみに、【空間操作】で作った空間は、目では見えないくらい小さな穴みたいな感じでいくつか繋げている。これで見た目は変わりないだろう。

「なにをしたのだ?何も変わりはないぞ」

そうだろうよ、そういう風に作ったんだから。

「試しに使ってみるか?」

「使うーー!」

「よし、じゃあ、俺はここに居るから、声が届かないくらい離れてくれ」

「分かった!いくよ!」

「分かりました」

うん、こっちから見えなくなっちゃったけど、まぁ、普通なら声は届かないだろうね。

[おーい、ニーナ、聞こえるか?]

[え?お兄ちゃんどこ?ニーナ離れたはずなのに]

[ネックレスネックレス]

[ネックレス?]

[ネックレスに、耳を近づけてみ]

[うん]

[どうだ?これで離れていても会話ができるだろ]

[すごい!すごいよお兄ちゃん]

[まさか本当に離れて会話をするとは]

[やったー!これでお兄ちゃんの家に行ける!]

いや、宿なんだけどね。

[じゃあ、今からニーナのところに行くね]

「【空間操作】」

「え?っえ、え?お兄ちゃん、何をやったの?」

「ネックレスと似顔絵につけた魔法と同じものを使っただけだよ。人が通れるくらいの大きさにしてね」

「わー、すごい!」

「これもレアスキルなのですか?」

「いや、これはここに来る前に作った魔法だよ。空間を操作する魔法だよ」

「お兄ちゃん!じゃあ行こ!」

「よし、【空間操作】」

━━━━━━━━宿にて

「うーん、そろそろ大空は帰ってくるかな?」

「ただいまー」

「こんにちはー」

「あ、大空、おかえりー。空間操作使って帰ってきたんだねー。って、え!?だれ?誘拐?」

「バカか。なんで王城行って堂々と姫さん誘拐しなきゃいけないんだよ」

「え?姫さん?え??」

「ニーナはこの国の王女なのだ!」

「えっ、えーーーー!?」

「なんで連れてきちゃってるの!?」

「いや、ニーナが来たいって言ったからな」

一通り王城でのことをかれんに説明した。

「なるほどね〜。まさか、宿に行く前に大空に当たってきた女の子がまさか王女だなんてね」

「俺も驚いた」

「で、この子の名前、どうする?」

「だれ?お兄ちゃんとお姉ちゃんの子ども?」

「ちがうよ、魔王を倒したあと、帰っている途中に捨てられていたから、拾ってあげたんだよ」

とまぁ、説明はこんな感じでいいかな。魔王の子どもと言っても信じないか騒ぎになるかもしれないし。

「麻央とかはどうかな?」

「いいね!そうしよう」

「やっぱりお兄ちゃんは優しいね」

「え?」

「ニーナがお兄ちゃんにぶつかってしまった時に、ニーナのことを最初に心配してくれて、会議に参加したくないニーナのためにすごいもの作ってくれて」

「え、大空、何を作ったの?」

「あれ?言わなかった?まぁ、分かりやすく説明すると通信機みたいなものを作ったんだよ」

「え?通信機?」

「正確には、空間操作で繋げた小さい空間を、いくつか作って、それで声が届くようにしているんだどね」

「なるほどねー、そんな使い方もあるんだ。無線の糸電話だね」

「はは」

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魔王(の子ども)育成記録

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