話 2
エララ視点:
薬は苦い根と冷たい土の味がした。
私がそれを飲み干すのを、癒し手は古く、すべてを知るような目で見つめていた。
効果はすぐに現れた。
子宮から冷気が広がり、骨の髄まで染み渡る。
痛みではなく、虚無感。
抉り取られるような空虚さ。
私の中にあった微かで温かい生命の灯火が、魔法のヴェールに隠され、かき消された。
その日は一日中、大病を乗り越えたかのようにベッドで過ごした。
ようやく起き上がると、鏡に映った顔は青白く、やつれた見知らぬ女だった。
目の下の隈を化粧で隠し、簡素なドレスを身につけ、オメガたちに指示を出した。
戒様が私に与えた宝飾品、毛皮のコート、ブランド物のドレスをすべて梱包するように。
「寄付して」
私は落ち着いた声で言った。
「群れの、番のいない女狼たちに」
戒様が帰宅すると、オメガたちが私の過去の人生を詰めた箱を運び出しているところだった。
彼は眉をひそめ、その力強い存在感で部屋を満たした。
「これは何だ、エララ?」
「祈りです」
私は滑らかに嘘をつき、今や冷たくなったお腹に手を置いた。
「私たちの子狼のための。月の女神様のご加護を願う、捧げものです」
彼の表情が和らいだ。
月の女神様の名を、狼が軽々しく口にすることはない。
彼は私のお腹に触れようと手を伸ばした。
そこに育っていると彼が信じている生命力を感じようとしたのだ。
私はそっとその手を取り、自分の指を絡ませた。
「疲れているんです、戒様」
私は言った。
「女神様への捧げものは、そっとしておいてください」
彼は手を下ろしたが、わずかに目を細めた。
彼にも分かっているのだ。
私の香りの弱さ。
妊娠中のルナから溢れ出るはずの、生命力の輝きが欠けていることを。
彼がそれを問いただす前に、彼の念話が鳴った。
長老からだった。
「アルファ、ルナ。莉央様の歓迎の夕食会を開きます。彼女が群れにお戻りになりました。今夜、お二人ともご出席ください」
戒様の反応は即座だった。
私に相談することもなく。
私に目を向けることさえなく。
彼は念話を乗っ取り、アルファの命令という抗いがたい力で、その声は轟いた。
「我々は出席する」
出かける前、彼は小さなベルベットの箱を取り出した。
中にはネックレスが入っていた。
古代の守りのルーンが刻まれたペンダントが付いた、重厚な銀の鎖。
息をのむほど高価なものだった。
「君の叔母上への、お帰りの贈り物だ」
彼は遠い目をして言った。
「君が彼女につけてあげるといい」
彼からの贈り物を、私の手で彼女の首にかけろと言うのだ。
その残酷さはあまりにさりげなく、もはや芸術の域に達していた。
夕食会は、群れの屋敷の大広間で開かれた。
莉央は暖炉のそばに立っていた。
戒様の絵で見たのと同じくらい美しい。
彼女は戒様の腕にいる私を見ると、その微笑みが揺らいだ。
驚き、そして深い戸惑いが彼女の瞳を曇らせた。
かつての恋人が、自分の姪と番になっていたとは知らなかったのだ。
私はまっすぐ彼女の元へ歩み寄り、箱を差し出した。
私は微笑んだ。
明るく、しかし脆い微笑みを。
「贈り物です。私の番から」
私は身を寄せ、彼女にだけ聞こえるように囁いた。
「戒様の好みは、昔からとても一途なのね」
彼女の顔が青ざめた。
食事の間中、戒様は別人のようだった。
生き生きとし、夢中になり、その注意は莉央だけに注がれていた。
彼は私がそこにいることを忘れていた。
私が妊娠していることも忘れていた。
彼は彼女の話に笑い、彼女の好物を取り分けた。
彼は銀のグリルで調理されたホタテの炙り焼きの皿を、彼女の方へ押しやった。
銀は私たちの一族にとって毒だ。
料理に含まれる微量では強い狼を殺すことはないが、妊娠中の女狼には固く禁じられている。
子狼に害を及ぼす可能性があるからだ。
彼は忘れていた。
いや、もっと言えば、覚えるほど気にかけていなかったのだ。
彼は、本当に愛する女性に給仕するのに忙しすぎた。
---
話 3
エララ視点:
その夜、戒様は千鳥足でスイートルームに帰ってきた。
狼人間が酔うのは珍しい光景だ。
私たちの代謝はアルコールをすぐに分解してしまう。
それが起こるのは、極度の精神的混乱に陥った時だけだ。
私の心臓が、愚かで頑固なこの心臓が、彼のために痛んだ。
私は彼の上着を脱がせ、重い体をベッドへと導いた。
彼はマットレスに崩れ落ち、私を一緒に引き倒した。
彼の狼が表面近くまで出てきていて、低い唸り声が胸の奥で響いていた。
彼は私の髪に顔を埋め、その腕は鋼鉄のようだった。
「俺のために戻ってきてくれたんだろう?」
彼はしゃがれた声で言った。
私に向けられたことのない、必死の希望に満ちた声だった。
私は身を引こうとした。
冷たい恐怖が私を襲う。
「戒様、酔っています」
「莉央…お前なんだろ」
彼はつぶやいた。
その息は私の肌に熱くかかった。
彼の心はアルコールと執着でひどく混乱し、自分の番と幻想の区別さえつかなくなっていた。
「お前のはずだ。お前しかいない」
それが、最後の、口に出された真実だった。
その瞬間、私は彼がなぜいつも冷静で、自制心を保っていたのかを悟った。
彼は、ほんの一滴のアルコールが彼の舌を緩め、彼の念話が必死に守ってきた秘密を裏切ることを、恐れていたのだ。
私は力の限り彼を突き飛ばし、バルコニーへ逃げた。
冷たい夜の空気を求めて、息を切らす。
街の灯りが涙で滲んで見えた。
ようやく落ち着いて部屋に戻ると、彼の姿はなかった。
隣のバルコニーから声が聞こえた。
莉央が泊まっているスイートに繋がっているバルコニーだ。
私は影に隠れ、そっと近づいた。
戒様がそこに立っていた。
月を背にシルエットになり、その姿勢は怒りで硬直していた。
「なぜヨーロッパに戻るんだ?来たばかりじゃないか!」
「これは間違いだったわ、戒様」
莉央の声は張り詰めていた。
「ここにいるわけにはいかない」
「俺のせいか?」
彼は問い詰めた。
その声はひび割れていた。
そして、彼の日記で読んだ告白が、彼の口から奔流のように溢れ出した。
生々しく、醜い真実の奔流が。
「あいつと結婚したのは、お前に似ていたからだ!」
彼は吠えた。
その声は荒々しく、壊れていた。
「あいつはお前の血筋で、お前の家族だ。それが、裏切り者にならずに、お前の香りをこの家に、この人生に留めておく唯一の方法だったんだ!唯一、俺が偽りの生活を送れる方法だった!」
彼は荒い息をついた。
「お前に会うためだけに、お前と同じ空気を数時間吸うためだけに、パリへ飛んだ。だから彼女の念話を遮断したんだ。俺がお前をどれだけ必要としているか、彼女に聞かせるわけにはいかなかった」
莉央は恐怖に震え、沈黙していた。
「俺たちの子供には、戒莉(かいり)と名付ける」
彼は狂気じみた確信に満ちた声で宣言した。
「そしてエララは……何もできない。俺を捨てる勇気なんてない。あいつは俺の番だ。俺はあいつのアルファだ。あいつは俺のものだ」
彼は間違っていた。
彼の番は、もういなくなっていた。
彼のアルファとしての地位は、もはや私にとって何の意味も持たなかった。
私はもう、彼のものではなかった。
私は、私自身のものだった。
そして私は、ここを去る。
---